第2回「団体が成長するための助成金申請講座~理論と実践~」9/4開催レポート
市民活動専門講座「団体が成長するための助成金申請講座~理論と実践~」の2回目を開催しました。講師は1回目に続き、シーズ・市民活動を支える制度をつくる会元代表の
松原 明さんです。
今回の講座では、前回の振り返りと、申請書の書き方について学んだ後、事前に参加者の方達が、宿題として提出されたワークシートの講評と質疑応答で進行しました。
第2回「団体が成長するための助成金申請講座~理論と実践~」
助成金の性格について知ろう
助成金は、景気や政治に大きく影響されにくいため、助成プログラムの過去の実績(特に去年のもの)をしっかり確認することが重要です。そして申請する前に、自分たちの活動を「分解」して、どの助成金に申し込むのかを考えましょう。「分解」とは、自分たちの活動の中に含まれている要素をキーワード化することです。(環境、地域、高齢者、まちづくり、福祉、教育など)これを行うことで、申請するべき助成金について調べやすくなります。分解した後は、「環境 助成金」のように入力して、Google検索などを活用して調べていきます。
また、一般的に助成金は、単年度か2、3年継続な場合が多いため、団体の経営が不安定になりがちです。よって助成金の審査では、その助成金がなくなった場合でも事業が継続でき、発展できるかどうか問われることが多いです。そのため、事業の長期的な展望や、助成金以外の資金源の確保が重要になります。
ストーリー性のあるロジックを組み立てる
助成プログラムが求めているのは、助成金によって、どういった解決策ができて、何がどう変わるのか、変わる可能性があるのかということです。よって、「現状の課題」「解決策」「成果」「展望」といった順に、しっかりと「ロジック」を組み立てる必要があります。特に、「解決策」の部分が肝となるため、「活動内容、スケジュール、予算、人員」など細かに記載することが大切です。これは、申請書全体の整合性を取るために必要な作業となります。
また、審査担当者は必ずしもその分野の専門家とは限らないため、素人が見ても分かる丁寧な申請書を書くようにしましょう。あくまでも審査担当者は、申請書のみを見て判断することを念頭に置いてください。そのため、専門家の関与、過去の事例やデータ、先行研究など、第三者から見て分かるような客観的な事実を示すと、より説得力がある申請書となります。
実践編:宿題の講評
後半は、参加者の方に書いていただいたワークシートの講評が行われました。講評にあたっては、(1)前述した「ロジック」が組み立てられているか、(2)必要な内容が十分に記載されているかが、判断基準となっていました。
参加者の皆さんが共通して指摘されていたのは、「現状の課題」の内容でした。その部分には、自分の団体の課題を書くのではなく、解決するための「地域の課題」や「社会の課題」を書かなくてはなりません。
また、松原さんは何度も、「他者視点で書くこと」の重要性をおっしゃっていました。「それを見ただけでは、どんな活動か分からない」、「その科学的な根拠はあるのか」と言ったツッコミを多くされていました。どれだけ分かりやすく、具体的な申請書を作ることができるかどうかが、大切だということを再確認できました。
松原さんご自身が、辛口な講評をしたとおっしゃっていましたが、助成金を獲得するための的確なアドバイスだと思いました。また、参加者の皆さんも、率直な疑問、質問を積極的に発言されていて、とても有意義な講座になりました。