第4期つなぎすと府中養成講座 第1回「コーディネーターについて知ろう」開催報告 5/22
人・モノ・夢をつなぐコーディネーター、つなぎすと府中養成講座第1回を2021年5月22日(土)にオンラインにて開催しました。“つなぎすと”とは、地域課題を解決するコーディネーターのこと。この講座では、知識のための座学ではなく現場で活躍するために必要なスキルを約2カ月間学んでいきます。
府中市における協働について
まずは府中を好きになろう
府中市市民協働推進部の新藤香揚さんから、「府中市における協働について」のお話を受けました。
社会情勢の変化などによって地域課題は多様化・複雑化しており、行政だけではそれらの課題を解決できなくなっています。地域で暮らす人が、お互いの得意を活かして共に働き(協働)、困りごとが解決されれば、もっと暮らしやすいまちになっていくのではないかと話します。そのために必要なのが、コーディネーター。新藤さんの考える協働とは「府中を好きな人同士が『府中をもっとよくしよう』と言う目的に共に取り組むこと」ですが、「よくしたい」という思いは一緒でも「よい」の基準や取り組み方はみんな違います。コーディネーターとしては、人とつき合う時のように、「その人を知り、相手を尊重すること」ができるとよいそうです。受講生の皆さんにはまずは府中を知り、好きになることから始めてほしいと話しました。
府中市の協働事業提案制度の紹介もありました。ご興味のある方はこちらをご覧ください。
https://www.city.fuchu.tokyo.jp/kurashi/shiminkyoudou/kyodotorikumi/teianseido/r4teian.html
地域をつなぐコーディネーターの役割
地域の困りごとが「まちの財産に」
次にプラッツ事業運営担当総括の林丈雄さんが、岩手県で実際にコーディネーターとして関わっている「大槌ジビエソーシャルプロジェクト」を紹介しました。「害獣として駆逐している鹿の命を有効活用できないか」と言う、おばあちゃんの一言に共感した地元のコーディネーターが取り組みを始めました。コーディネーターは様々な立場の人たちから丁寧に話を聴き、「鳥獣被害が町民・役場・猟友会の共通した『困りごと』である」という、認識の共有を図っていきました。2年半で約40回、勉強会を開催し、鳥獣対策がジビエ事業として、まちの新たな産業となることを見出し、2020年に岩手県で初めてのジビエ加工処理施設を誕生させました。このジビエ事業により、農作物の被害や鹿駆除費用の軽減、猟師希望者の増加など復興にも寄与できたそうです。林さんは、今後は大槌町のモデルを全国に広めていきたいと夢を語ってくださいました。
参加者からは「地元のコーディネーターと、外部のコーディネーターである林さんとの役割の違い」について質問があり、「地元のコーディネーターは地域の人の話を丁寧に聴き課題を整理する役割であり、外部コーディネーターはもっと広域な行政などとのやりとりを主に行った」ということでした。
お互いをよく知ろう!
キャッチコピーで紹介
後半は、他己紹介で受講生同士の交流を深めました。ペアになった相手のことを、キャッチコピーとともに紹介しました。サポーターとして、つなぎすと先輩受講生の参加もありました。
皆さんの個性あふれるキャッチコピーです。
「みんなの学びをサポートし、チームで成し遂げる!」
「旅行会社で培った 話す・聴く・伝える で新しい自分の居場所づくり」
「野菜果物大好きベジタリアン。心理学に興味があります」
「やりたい仕事見つけたい〜」
「楽しいこと、企画すること、その人の良さを見つけて、その人を輝かせることが得意です」
「たくさん学んで役立ちたい!行動力ばつぐんお母さん」
皆さんそれぞれの魅力が伝わってきて、直接会ってお話ししてみたいと思う内容でした。
第1回を振り返って
参加者からは「楽しくてあっという間。コーディネーターとして、課題を意識している人は誰で、どこにいて、どんなふうに考えているのか、丁寧に話を聴いていくことが大切と学んだ。また自分の苦手なことも得意な人の力を借りることで、一人ではできないこともできるのではないかと思った」「講座を終えた後、人をつなげられる人、自分のやりたいことや、みなさんのやりたいことを実現できる人になりたい」という感想がありました。
講義や受講生の皆さんのお話を聴かせていただき、魅力的なまちづくりの第一歩は、魅力的な仲間づくりからなのだなぁと思いました。講座は始まったばかりですが、これから新しい素敵な何かが生まれる息吹を感じました。
次回第2回は、2021年5月29日(土)13:30〜16:30
テーマ:多様な働き方を支える「仕組みづくり」の現場から
講師:非営利型株式会社Polaris取締役ファウンダー/Chief Story Officer/ソーシャルデザイン事業部統括 市川望美さん
(市民ライター 亀谷のりこ)