「コミュニティカフェ地域のたまり場開設講座 コミュニティカフェの経営に必要なもの(2)」2/28」開催報告
第6回に続いて、税理士の堀内龍文先生を講師にお迎えし、コミュニティカフェを“経営”という視点で分析していただきました。
後半となる第7回のテーマは「コミュニティカフェの事業計画書作成」。前回の講義内容を踏まえ、実際に事業計画書の中身を埋めていく作業です。
「コミュニティカフェ地域のたまり場開設講座2/28」開催報告
コミュニティカフェの経営に必要なもの(2)
2月21日の第6回に続いて、税理士の堀内龍文先生を講師にお迎えし、コミュニティカフェを“経営”という視点で分析していただきました。
後半となる第7回のテーマは「コミュニティカフェの事業計画書作成」。前回の講義内容を踏まえ、実際に事業計画書の中身を埋めていく作業です。
想いを形にする「事業計画書」
第7回の講座では、事業計画書作成の流れに沿って計6回のグループワークの時間が設けられました。
各回のワークは、はじめにそれぞれの項目について堀内先生から実例を交えた解説があり、そのあとに数人のグループに分かれて自分の想いや温めてきたプランなどを話し合う、という流れでした。
このグループワークには「横の連携と仲間づくり」「情報交換」などいくつかの目的がありますが、中でも重要なのが「客観的な感想や意見を通して自分の考えを整理すること」です。
自分の考えを人に話すことで、それを伝えるために整理したり、感想や質問をもらって新たな気づきが得られたりするなど、形のない“想い”が具体的に磨かれ実現する姿が見えてきます。
【グループワークのテーマ】
- 自分のプロフィール、コミュニティカフェに込める想いを他者に伝える
- 開設のハードルになることの多い「場所探し」
- 協力してくれる人の探し方、広告の方法など
- 自分の考えているメニュー紹介、飲食以外のサービスメニューや連携
- レイアウトのイメージ、リフォームや新築時の体験談
- 損益計画・資金計画の記入
グループワークによってそれぞれのテーマについて情報交換してアイデアを出し合い、考えを整理しながら項目をひとつずつ埋めていくと、徐々に「事業計画書」として形が出来ていきます。
ワーク間の講義では「複数のキャッシュポイントを検討する」「お金のやりくりを“営利”と“非営利”に分解する」など、運営を継続するために必要な経営的視点からの実践的なお話も盛り込まれました。
コミュニティカフェプラン作成へ向けて
グループワークでは、参加した人がお互いの話に大きくうなずき合う姿が印象的でした。講座を受講した背景や目指す形に違いはあっても、同じような志を持つ人同士のお話には、大きな共感や気づきがあったのではないかと思います。
講座後のアンケート回答には「具体的に何をやらなければいけないのかが見えてきた」「本などの説明では想像できないことが具体的にわかった」など、「具体的」という言葉が多く見られました。カフェの立ち上げ~運営の実例を自分事に落とし込みながら聴き、考えたことをその場でアウトプットできる機会は、このような講座ならでは。この講座自体が既に、何かを生み出そうとするエネルギーをもったひとつのコミュニティであるように感じられました。
また実務的な内容だけでなく、堀内先生が講座の中でたびたび話されたのは、自分の想いを整理し、必要があればそこに立ち返ることの大切さです。
カフェに限らず社会の中で何かを始めようと思う時、「想いだけではやっていけない」と二の足を踏んでしまうことがあります。もちろん経営である以上、収支計画など現実的な視点はとても大事です。
それでもコミュニティカフェが運営者自身にとっても「心地よい居場所」であり続けるため、あるいは困難な壁に当たったとき、支えてくれるのはやはり原点である自分の想い。
事業計画とは、その一番大事な“想い”と“経営”を結びつける「手段」です。
それらを税理士という立場から堀内先生が伝えてくださったことは、とても心強く意味のあることだと思いました。
次回3月7日(日)はいよいよ最終回、「コミュニティカフェプラン発表会」です。
(市民ライター 伊藤 薫)