第4回 市民活動専門講座「伝わるチラシデザインのコツ~考え方からテクニックまで~」
市民活動専門講座「伝わるチラシデザインのコツ~考え方からテクニックまで~」の1回目を開催しました。講師はNPO法人さいたまNPOセンター専任委員の大工原 潤さんです。大工原さんは建築に関する書籍の編集者を経て、まちづくりに関わり、広報印刷物のデザインや、実践的なデザインの講座などを各地で行っています。
キャッチコピーとボディコピー
「より速く、より高く、より強く」って何のキャッチコピーか知ってますか?
オリンピック精神に基いて研鑽することを呼びかけたモットーをあらわしたものです。
今日はチラシ作成において、最初に目を引く「キャッチコピー・ボディコピー」について学びました。
まずはいくつかの事例を挙げて、長年使われ、誰もが知っているコピーは、どんなところが愛される理由なのか、また、実際に街でよく見かけるチラシや掲示物をどのように変えたら、もっと伝わりやすくなるか、などについて話していただきました。
事例から考えてみよう!
「やめられない とまらない・・・」と聞くだけで何のことを言っているかすぐにわかってしまう誰もが聞いたことがあるフレーズです。現在は商標登録されているので、引用することはできませんが、いつも使うような言葉をうまく並べて、印象的なコピーにしていますね。
住宅街でよく見かける「空き巣に注意」とだけ書いてあるチラシ。こちらに、「町内で発生!」を加えることにより自分事になりますね。また、「皆様のご協力で空き巣逮捕!ありがとうございます」という内容にすると、対象者が「空き巣」になり、抑止効果が発生します。
「そうだ○○に行こう」こちらも聞いたことがあるフレーズですが、この○○に府中を当てはめると、テンポの良い、心地よい響きになりますね。
また、「府中に夢中」のように、韻を踏むことで耳に残る印象的な言葉になることもありますね。
キャッチコピー・ボディコピーを作ってみよう!
受講者の皆さんに、キャッチコピー・ボディーコピーを作成し、フォームで送ってもらい、さらに発表後に自分が良いなと思った作品に投票をして、投票者と作者、講師の講評を行いました。
ここで講評を少しご紹介します。
- キャッチにお店の名前を入れる?入れない?
説明的な内容(お店の名前や場所など)はキャッチにはいれない。
興味を持ってもらったら、詳しい情報は必ず探して見るはずなので、まずは興味を感じてもらうようなキャッチにする。
もし入れるなら字を少し小さくしてみる。
- よく使いがちな「!」マークを入れないで、語尾を「っ」で終わらせてみた作品がありました。「!」はとても使い勝手が良いのですが、使いすぎるとうるさく感じてしまうこともあります。また、難しい漢字はなるべく使わず、話し言葉や普段使いの言葉で表現するのも、伝わりやすくする効果があります。
- 助詞の使い方で意味が全く違う場合はあります。
例えば「おうちで」と「おうちも」など、ひらがなが多くなると見づらくなるので、「おうちで、~」「おうちも、~」と、点を入れることで意味が伝わりやすくなります。
- 疑問提示型という方法もあるようです。
何のことを言っているのか?という疑問を持つと、疑問を解決したくなる、という心理が働くので、目を引く効果が得られるかもしれません。
- また「~しませんか?」という表現を使うことがよくあると思いますが、多用するとしつこい印象を受けるので、「しましょう」と言い切ってしまうとか、解決方法をはっきりと明示するのもこちらの意図をすっきり伝える効果的な方法です。
皆さんの作品を通じて、言葉選びの意図や思いがあることが伝わってきました。
まずはキャッチコピーで「何?」と興味を持ってもらい、ボディコピーで内容を理解してもらい、さらに興味を持ってもらえたら具体的な詳細情報を見てもらう。という流れを作ることができたらいいですね。
ハイブリッド開催ということもあり、今回は音声を自動入力するGoogledocumentを活用し、講座の内容を文字データでもお送りするという試みをしましたが、完全な文字データをお届けするのには難しいところがありました。今後も、講座運営のスキルアップを目指していきたいと思っております。
参加者の皆さんからは
- キャッチコピーのコツを知ることができた。 講師の説明がわかりやすかった。他の人の考え方も参考になった。
- グループワークの方法など運営も大変参考になりました。
- いろんな業種、業態の方々のキャッチコピー、ボディーコピーがとても参考になりました。投票形式で自分が感じるという経験ができたのはとてもよかったです。
というご意見をいただきました。