『団体のお悩み』見える化ワークショップ プロボノ受け入れ説明会が4月10日に開催されました
「こんなことをしたいけど、人手やスキルが足りなくて困っている…」、そんなお悩みを抱えている団体の方々、必見です。「プロボノ」がお役に立つかもしれません。お悩みのある団体に、地域で役に立ちたいと考えている市民をつなぐ認定NPO法人サービスグラント運営のサイト「GRANT」(詳細https://grant.community/)を使って、プラッツの新しい事業「ちょこっとプロボノ」、今春から始動します。
「プロボノ」入門編
約10団体が、オンライン(Zoom)と現地で参加しました。講師は、日本におけるプロボノの草分け的存在でもある、認定NPO法人サービスグラント代表理事の嵯峨生馬さんをお迎えしました。
「プロボノ」って何?
皆さんはプロボノという言葉、聞いたことがありますか?
プロボノの語源は「Pro Bono Publico(公共善のために)」というラテン語で、専門的なスキル・経験などをボランティアとして提供し、社会課題の解決に成果をもたらすことを意味します。嵯峨さんは、プロボノとして社会貢献したい人(プロボノワーカー)と、困りごとを解決してほしい団体をつなげるための支援活動をしています。プロボノワーカーの登録者は、活動を始めた2006年から12年間で約46倍(4814件)も増加し、プロボノの輪が広がっています。
実はプロボノワーカーの約半数がボランティア未経験者。「仕事一筋ではなく、いろんなことにチャレンジして自分の引き出しを増やしたい」という、30〜50代の働き盛りの会社員が多いそうです。サービスグラントの統計によると、プロボノとして支援する人もされる人も9 割近くがお互いに良い印象を持っています。
マッチングの秘訣
団体がプロボノワーカーに依頼する際、具体的な「時間」量の目安を示し、1〜6ヶ月と短い「期間」で、「ゴール」を明確にした1種類の依頼に絞ることでマッチングしやすくなります。
マッチングが成立した依頼には、Facebookの立ち上げ支援、町会活動検討のための住民ニーズ調査、移動支援サービス活動のマニュアル作成などの他、「おいしいお茶の入れ方」というものもあったそうです。
団体のお悩み「見える化」ワークショップ
後半は、プロボノの受け入れを考える団体が自分たちの団体のお悩みをワークシートで「見える化」していきました。
「見える化」したお悩み
実際にGRANTへ掲載する時に、ポイントとなる3つの項目、「活動目標」「希望支援内容」「こんな人に(参加を呼びかけるメッセージ)」を参加者がそれぞれ考えていきました。大切なことは活動目標を具体的に表現し、相手に語りかけるように伝えることです。
「非会員の参加システムを簡便化したい」「名刺作成やチラシとホームページのリニューアルをしたい」というお悩みが上がってきました。
また「依頼は有償・無償どちらがいいのか?」という質問もあり、「資格や技術のある職種の人は、プロボノでの活動が仕事と変わりないことが多く、有償で安く引き受ける場合がある」という嵯峨さんの回答でした。
まとめ
参加者からは、「市でもマッチング制度はあるが実際に運用ができていない。新しいツールを使う意義を感じた」という感想がありました。またお悩みの発表をきっかけに、参加者同士が情報交換しあう場面もあり、新しいつながりも生まれた、有意義なワークショプとなりました。
ちょこっとプロボノを活用するには?
プラッツは、団体の魅力を引き出し、興味のある人につなげていくコーディネーターの役割を担います。
今後、プロボノ受け入れ希望団体がプロボノを活用する流れは以下の通りです。
(1)プラッツ事務局に連絡し、GRANTのちょこっとプロボノに団体登録。(5月中)
(2)プラッツがコーディネーターとして団体とプロボノワーカーのマッチングを仲介し、進捗状況を把握する。(7月頃~)
(3)プロボノワーク(1~3ヶ月)
(4)成果実施報告会(12月中旬)
プラッツでは、プロボノワーカーへの説明会も開催予定です。興味のある方、ぜひご参加ください!
詳細はこちら。http://www.fuchu-platz.jp/event/1004770.html
プラッツでの新しい取り組み、「プロボノ」。コロナ禍で、仕事中心ではない生き方を見つめる人も多く、もしかしたら私たちも「住んでいるだけ」ではなく、何か役に立てそうなことがあるかもしれない。そんな新しい風を感じました。
(市民ライター 亀谷のりこ)