「府中でギフトをたくらむ会議」シンポジウム第2部開催報告
誕生日、クリスマス……。プレゼントをもらえる時は、楽しみで眠れなかった思い出がある方も多いのではないでしょうか。2020年度の第9回市民協働推進シンポジウムでは、コロナ禍の大変な時期だからこそ、次の世代に向けたギフトを考えてみようというテーマでイベントを開催しました。
1部:基調講演「子どもたちを笑顔に!この冬あなたも『誰かのサンタクロース』になりませんか?」
2部:ワークショップ「府中でギフトをたくらむ会議」
という構成で、2部では府中でネットワークを活かしながら活動している「FC東京」「府中deボッチャ」「フードバンク府中」の3団体とともに、参加者の想う次の世代に向けたギフトについて話しました。
※第1部の様子はこちらからご覧いただけます
http://www.fuchu-platz.jp/topics/report/1004730.html
前半:府中で生まれたギフトの紹介
「FC東京」(FC東京パーク府中支配人 安藤さん)
味の素スタジアムが本拠地のサッカークラブです。2014年4月より、元伊勢丹屋上のフットサル施設「FC東京パーク府中」を市民との接点の場として、FC東京が初めての運営管理を始めました。年小~小学生が対象の「サッカー・フットサルスクール」等を実施しています。また、Jリーグではじめて特別支援学級へ通う子どもたちを対象とした「あおぞらサッカースクール」なども行っています。
都度申込制の教室として、土日祝を中心に「2歳からできる親子サッカー教室」、女の子がはじめてサッカーに触れる場である「なでしこひろば」、あおぞらサッカースクールの卒業生も参加できる障がい者向け教室、大人向けのフットサル教室なども実施しています。近年では、フットサル場に留まらない可能性を見出していくため、府中deボッチャなどの他団体と連携したイベント等を実施しています。
「府中deボッチャ」(代表 丸山さん)
府中deボッチャは、パラリンピック競技種目である「ボッチャ」を通じて年齢、国籍、障がいの有無などに関わらず、誰もが安全・安心に笑って語り合える居場所づくりを目指しています。ボッチャとは、重度脳性麻痺者もしくは同程度の四肢重度機能障がい者のために考案されたスポーツであり、「床の上のカーリング」といわれています。カーリングとの大きな違いは、的となるボールも動くため、より戦略的であることです。通常バドミントンコート程度の大きさで戦いますが、半分程度のコートにするコミュニティボッチャ(リクレーションボッチャ)もあります。
毎月第2水曜日に練習会を実施しており、「協働まつり」等プラッツの行事にも参加しています。コロナ後には大きなイベントをたくらんでいます。ボッチャはコート内でのソーシャルディスタンスを保てること、大声を出さずに済むことなど、安心して実施する条件が揃っているため、コロナ禍で生じる運動能力低下や健康維持などの課題を解決する「Share FUCHU Project(新型コロナウイルス感染症対策市民協働事業)」にも提案しました。緊急事態宣言が発出された3月から5月は中止しましたが、以降は再開しています(令和2年11月時点)。
「フードバンク府中」(代表 照井さん)
フードバンク府中の前身団体「フードバンク準備会」が2019年6月に設立。食品ロス削減と食糧支援を目的に、社会福祉協議会等が中心となり生まれました。しかし、コロナ禍の影響で2020年1月に終了。同年4月、感染が拡大するなかで経済的に厳しい状況の人に少しでも早く支援したいという願いから「フードバンク府中」が誕生しました。翌5月より、「よちよち歩き」の状態で歩き始めました。
フードバンク府中は、主に食品の受け取り保管およびお渡しをしています。受け取りとしては、寄付や食品ロスをゼロにするために提供された食品やごみ減量推進課によるフードドライブによって集まった食品などがあります。それらを西府の倉庫に保管しています。お渡しとしては、社会福祉協議会や生活援護課など、行政窓口から紹介を受けた方への直接的な緊急食糧支援や、府中市に在住・在学している学生への支援、子ども食堂等の団体との連携があります。開催日(令和2年11月28日)も直前までフードパントリーがありました。現在は支援を求める学生が増えていて、今回は過去最多の80名でした。まだまだ苦しい状況です。
後半:府中でギフトをたくらむ会議
後半のグループワークでは、「FC東京・府中deボッチャ」チームと「フードバンク府中」チームの2グループに分かれて、ワークショップ「府中でギフトをたくらむ会議」を実施しました。
「FC東京・府中deボッチャ」チームでは、スポーツやオリンピック・パラリンピックに興味のある方などが集まり、参加した方の普段の活動や「サンタ」に関する思い出について語り合うことが出来ました。今後のギフトについて語る時間が十分に取れなかったものの、プレゼント(思い)を送る側、受け取る側を意識して行動することが成長に繋がるといった話がなされました。
「フードバンク府中」チームでは、食品問題に興味のある方などが集まり、活動を広く知らせるための方法について議論しました。「きっかけ」がなければ活動に参加できないという課題から、身近に「フードポスト」等のスポットを作ることで、共感できる方を増やす取り組みが必要だという結論に至りました。参加した方からも洋服のドライブ(循環)をしたい等の提案があがりました。
参加した方からは、「対面では会えない距離の方とも交流することが出来て、ゆるい感じの雰囲気をオンラインで作れることが分かった」や「普段会えないような方に会えたり、話を聞けて刺激になった」等の意見が得られたほか、中間支援施設職員の方からは「主催するハードルは高いが、今後のオンラインイベントが楽しみになった」といった感想をいただきました。
※第1部のシンポジウム 「ギフトでつながるありがとうの輪」開催報告はこちらをご覧ください