「プロボノっていったい何?」~ちょこっとプロボノ説明会 開催報告
府中市内のプロボノ活動に参加できる、自分の経験やスキルを地域で活かしたい、など、プロボノ活動に興味のある方へ向けた説明会が開催されました。
講師は4月10日開催「『団体のお悩み』見える化ワークショップ」に続き、認定NPO法人サービスグラント代表理事の嵯峨生馬さん。
「今日の講座が、今年のどこかで何かを始めるきっかけになれば」という嵯峨さんの呼びかけから、説明会はスタートしました。
活動参加へのハードルを低く
「プロボノ」とは、専門的なスキル・経験などをボランティアとして提供し、社会課題の解決に成果をもたらすこと。地域社会や人とのつながりは、健康面にも社会貢献としても良い効果があると認識される昨今、「“何かやらなくちゃ”とは思っている」「ボランティアにも自分の経験を活かせることがあれば…」と感じている人は少なくありません。
嵯峨さんが紹介したアンケート結果によると、ボランティアに「関心がある」と答えた人は約6割。しかし、そのうち「実際に参加した経験がある」と答えた人は23.3%と、4人に1人を下回ります。
参加しない理由としては
1位 一度始めたらいい加減なことはできない、抜けられなくなる心配
2位 他にやりたい余暇活動がある
3位 自分に何ができるかわからない
この1位と3位に着目すると、「とにかく手伝って!」ではなく「この部分を、ここまで手伝ってほしい」と具体的にわかれば参加する人が増えるのではないか。その考えから生まれたのが、サービスグラントによるプロジェクト型支援のプラットフォーム「GRANT」です。
“はじめの一歩”を橋渡しする「GRANT」
今回「ちょこっとプロボノ@府中」はサービスグラントが運営する「GRANT」を活用してプロボノ事業を進めることにしました。
「GRANT」は、オンライン上のプラットフォーム。登録団体のニーズを発信することが出来、個人やチームで具体的な成果物やアクションを支援するマッチングの仕組みです。
支援先が求めるスキルを明確にしたプロジェクト型支援で、随時応募が可能。初めての人でも参加しやすいのが特徴です。
「ちょこっとプロボノ@府中」について
続いては事務局より、プラッツがGRANTの中でコーディネーターとして立ち上げた「ちょこっとプロボノ@府中」についての説明がありました。
「ちょこっとプロボノ@府中」には、市内の登録団体が募集するプロボノワーカー向けの情報があり、参加したいプロジェクトにエントリーすることができます。
その登録団体のひとつ、「地域を明るくするリハビリテーション専門職の会」代表・小野さんはこの説明会にも参加され、その場で募集についての詳しい説明や質問への回答に応じていただきました。
「ちょこっとプロボノ@府中」は以下のスケジュールで進んでいきます。
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7月 団体とプロボノワーカーのマッチング会(予定)
プロボノアクション
1~3か月の期間でプロボノ活動を実施
12月 ちょこっとプロボノ実施報告会
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説明会を振り返って
参加者からは前向きな意見だけなく、プロボノへの疑問や「自分の方向性とは違うようだ」という率直な感想もありました。そしてどれもが、参加者それぞれが“自分事”として「プロボノっていったい何?」を考えた結果なのだと感じました。
「プロボノ」という言葉の捉え方もまた、人それぞれ違います。
しかし、「プロボノは自分の経験やスキルをボランティアとして提供する社会貢献」という前提を忘れないこと、そして自分が関わる団体の活動に理解やリスペクト、興味をもつことができるかどうかは、活動に参加をする上で誰にも共通して大切なことだと思いました。
「プロボノ」が気になったら
新しく知る言葉に何か引っかかるものを感じたら、それは自分の周りに新たな世界がひろがるチャンスかもしれません。
「GRANT」のページには他の地域で実施しているプロボノの募集、完了したプロジェクトやインタビューも掲載されており、実際の事例や参加者の想いを読むことができます。
「それで、プロボノって実際はどんなものなの?」
そんな風に思われた方は、ぜひ一度「GRANT」のサイトを訪れてはいかがでしょうか。
「ちょこっとプロボノ@府中」の動向もぜひチェックしてみてくださいね!
「あなたの社会参加を応援するプラットフォーム GRANT」HP
https://grant.community/
(市民ライター 伊藤 薫)