市民活動専門講座 第2回「事業戦略づくりとソーシャルマーケティング~団体の価値を再構築する~」1回目開催しました
コロナ禍や各地の紛争など、世界情勢が身近な生活にすぐさま影響を及ぼす世の中となっている昨今、自団体の在り方を客観的に問い直し、マーケティング視点を取り入れた考え方と手法を学び、これからの時代に柔軟に対応できる団体づくりを目指す講座を開催しました。
なぜ、NPOや市民活動団体に、戦略やマーケティングが必要か?
講師の松本先生が代表理事をしているNPOサポートセンターのモデルチェンジについて、代表理事等の交代、理事・幹事の入れ変えによる世代交代と自主事業比率のアップなど、8年かかった事例として紹介いただきました。では、なぜ、モデルチェンジにあたり、NPOに戦略やマーケティングが必要なのかについては、安易に流行に乗ったり、様子見などしないために必要とのこと。
2日間のスケジュール説明の後、参加者の自己紹介をし、本題に入りました。
マーケティングとは?
エジソンが発明した蓄音機は、もともと会議議事録を作るために作ったが、音楽を聴くための道具として普及した、というエピソードを通して、マーケティングとは、商品を媒介とした作る側と受ける側との、高度な対話であることを学びました。
NPOの事業継承の実際
2つのNPO団体の事例を通して、設立当初の目的と社会環境の実態が伴わない状況に置かれた時、団体運営をどのようにチェンジしていくかについて考えました。
ソーシャルマーケティングにおける戦略の枠組み
NPO・市民活動団体が対象としている課題は、対象者が少ない、制度がない、また課題の多様性や新規性などの問題を扱うことが多いことから、柔軟な発想やつながりづくり、多様なものを受け入れるなど市民活動・NPOらしさの再構築が必要であることを学びました。
戦略の骨格ワークシートに記入
変化・志・能力・顧客・価値・競争力・関係・実践・資源の枠に自団体を振り返り、記入するワークを行い、記入したワークの内容を参加者で共有しました。
5つの団体の実例を通してビジネスモデルについて考える
- NPO法人横浜カーフリーデー実行委員会
- 認定NPO法人マドレボニータ
- 青芳製作所の事例
- NPO法人日本トラベルヘルパー協会
- NPO法人プレーパークせたがや
具体的なビジネスモデルを通して、顧客の側からの視点で見てみること、ターゲットを絞り込むこと、自分たちの強みを知ること、について考えてみました。
事例を通して学んだことを踏まえ、今度は自身のターゲットの視点に立って改めてにワークシートを書き直してみることを宿題とし、第1回目の講座は終了となりました。
団体運営を実践している中では、なかなか活動について客観視できないものですが、市民の立場、参加者の立場になって見ることが必要で、講師はこれを「憑依」と表現していました。これからの団体運営には、常にその視点が大切なのだと気づかされた講座でした。
次回、ブラッシュアップされたワークシートを見せていただくのが楽しみです。