入門講座「府中トコロジスト養成講座」イベントレポート(4)
箱田敦只さんを講師に迎え、府中のトコロジストになるための歩き方などを全5回の講座で学ぶ市民活動入門講座「府中トコロジスト養成講座」。
第4回は、府中の森公園でのフィールドワークとして「生き物地図」を作成する予定でしたが、2週続けて雨天となったため、一部プログラムを組み替えて会議室で実施されました。また今回は、シンポジウム「府中トコロジストのすすめ」パネリストの西郷昌高さんにも参加していただきました。
大國魂神社の見どころマップを作ろう
インプットからアウトプットへ
今回のワークは、これまで受け身の形でインプットしてきた情報をアウトプットしていく作業です。
第2回と第3回で実際に観察したことをカードに記入し、「見どころマップ」にまとめていきます。出来上がったマップは、実際にプラッツで掲示しています。
箱田さんからは「マップの前を通りかかった人に、これはぜひ見てほしい情報という視点で絞り込んでみてほしい。」と、ワーク前のアドバイスがありました。
「見てほしい情報」のキーワード
まずは各自が大國魂神社で撮影した写真を、大判の地図上に位置を確認しながら置いていくことから始めます。
写真を見ながら振り返ると、参加者撮影の写真はもちろんですが、箱田さんの写真には箱田さんならではの視点やエピソードがあり、各自視点の違いや新たな発見が多くあることに大いに盛り上がりました。
「これはどこだったかな。」「これはどんぐりがあった場所ですね。」
「それは面白い写真だけど意図が伝わりにくいね。」「これは入れたいですね。」
はじめのうちはどう絞り込んでいくか悩んでいる姿がみられましたが、写真を片手に話しながらいくつかのキーワードを絞り出すと、それに沿った写真が厳選されました。
今回決めたキーワードは「神社」「石碑」「巨木」「段丘」「カラス」「植生」の6つです。
情報を具体的に伝えること
ワーク冒頭は遠慮がちに発言していた皆さんも、キーワードが固まってからは自然と写真に手が伸び、意見交換やワークが活発になりました。
その後、約1時間かけて選ばれた写真を手分けして「フィールド情報カード」に貼り付け、タイトルや情報を記入していきます。各自近くのメンバーに聞いたり、手元のスマホで検索したりして、30分ほどで担当する写真の情報を埋めていきました。実際に現地で見てきたものとはいえ、「見る人に伝わるように具体的に書くというのは意外に難しい。」という声も聞かれました。
仕上げたカードは地図上に正確に配置したあと線でつなぎ、マップの完成です。
多くの視点があればこその成果に、大きな歓声が上がりました。
講座のまとめ
プログラムの組み替えにより最終回が外でのワークとなるため、これまでの講座の振り返りや感想、今後歩いてみたいところなどを全員に発表してもらいました。
・虫の視点や動物の視点、生活の視点など、様々な視点に気づかされた。
・府中崖線のそばに住んでいるが、そこに住む人の営みや思いに今回初めて触れることが出来たので、今後も崖線とともに神社仏閣を見ていきたい。
・大國魂神社にはよく行くが、講座で歩いた2回だけでまるで知らなかったことに出会えた。
・名前を知らないとなかなか「認識」することが出来ない。自分の持っていない知識のある人と一緒に歩くと発見がある。
どの参加者からも、多くの気付きや感動があったことが語られました。
新しい府中の魅力にも触れ、府中のトコロジストとしての一歩になったようです。
最終回では、府中の森公園で生き物地図を作ります。皆さんが大変楽しみにしていたワークです。
どのような生き物地図が作られるでしょうか。