『安心して活動を続けるためのコンプライアンスの基本』専門講座第4回開催レポート
2026年度市民活動専門講座の第4回目は弁護士の塙先生をお招きして『安心して活動を続けるためのコンプライアンスの基本』をテーマに開催しました。
コンプライアンスはなぜ必要?
コンプライアンスとは法令や規程を遵守することであり、組織が活動を継続していく為に欠かせない考え方です。
しかし、NPO法人などの非営利組織では、特有の組織体系の影響からコンプライアンスの実践が難しく、正しい理解が求められます。
本講義では、その重要性を踏まえ、実例やケーススタディを交えながらコンプライアンスを正しく理解し、団体が安心して活動を続けていくために、トラブルを防ぐ方法や、組織を守るために気をつけたいポイントについて、具体的にお話しいただきました。
第1部 安心して活動をするためのルールとは?
コンプライアンスの本来の意味は、「法令等遵守」と訳されます。
しかし、その対象は法律だけにとどまらず定款、就業規則、業界のガイドライン、社会規範・倫理などの幅広い基準も含まれています。
このことから、コンプライアンスとは「日々変化する社会的要請に応え、社会と適切なコミュニケーションをとる営みそのもの」であることを学びました。
その他には、非営利組織(NPO)の構造的特徴である配当の禁止と営利性の違いについてや、情報管理、個人情報保護、連絡先交換など日々起こりうる事例を基にトラブルやハラスメントの原因になるため、組織的な連絡ルートの徹底が大事であることを教えて頂きました。
第1部では、「社会貢献という高いビジョンやミッションがあるから、目先のルールは後回しにしてよい」という考え方は方は誤りであり、ひとたび不祥事が起これば、組織の信頼は大きく損なわれ、活動そのものの継続が困難になる可能性があります。そのため、長期的なビジョン・ミッションを実現し続けるためには、目先のコンプライアンスやリスク管理を最優先に考えることが重要であると理解しました。
第2部:具体的ケースで学ぶ
ハラスメントの法的定義と4段階基準(違法性、不当性)の説明と代表的なパワハラ6類型(身体的、精神的な攻撃、人間関係からの切り離し、過大・過少な要求、個の侵害)について紹介して頂きました。
ケーススタディの心構え
はじめに、リスクを過小評価しないこと、「かもしれない運転」の実践、「自分の団体では大丈夫だろう」という慢心を捨て、「重大な問題につながるかもしれない」という視点を持つことで、ハラスメントを未然に防ぐことが大切であると学びました。
後半はグループごとに事例を基に、このケースの場合、「何が最も気になったか」「最悪の状態は何か」「最悪の状態を回避するために出来る事は何か」をグループごとに意見を出し合い、自分事として考える時間となりました。
参加者からは、「ちょっとした間違いが重大な過失になってしまうという気付きを得られた」、「立場が違うだけで見える景色が変わる事を知ることが出来た」、「コンプライアンスについて知らない事が多く色んな考え方がある事は勉強になりました」との声を頂きました。
最後にに不祥事やハラスメントによって団体の活動が続けられなくなると、最も困るのは、その活動を必要としている子どもや支援を受けている人たちです。
コンプライアンスは、誰かを罰するためではなく、活動に関わる人や支援を受ける人を守り、みんなが安心して活動を続けていくために大切なことです。
日頃から一人ひとりがルールを守り、相手への配慮を大切にすることが、誰もが安心して活動できる団体づくりにつながると、改めて認識する機会となりました。


