「デフラグビー きこえない人たちの挑戦! ~Equal through Rugby~ が目指す社会」開催レポート
\ デフラグビーを体験して、知って、考える! /デフラグビー日本代表選手を迎え、体験会&講演会を開催しました。
【体験会】ラグビーでのジェスチャーや手話、音声文字通訳などを実際に体験!
【講演会】選手の生い立ちやデフラグビーへの挑戦を聞き、トークセッションでは「Equal through Rugby」が目指す社会について考えました。さらに、手話通訳・音声文字通訳・磁気ループの3つの情報保障を同時に取り入れることにもチャレンジ。デフラグビーを入口に、きこえない・きこえにくい人への理解と、世界大会への関心を広げる一日となりました。
まずは、デフラグビーを体験!
14時から17時までは、予約不要・出入り自由の体験・展示を実施しました。デフラグビー日本代表前キャプテンの大塚貴之さんによる「ラグビーでジェスチャー」のほか、手話体験、音声文字通訳、聴覚障がい者向けコミュニケーションサービス「Pekoe」など、さまざまな方法でコミュニケーションに触れる時間となりました。
夜の講演会では、手話通訳、音声文字通訳(Pekoe)、磁気ループを用意し、きこえ方の違いにかかわらず情報を受け取りやすい環境づくりにも取り組みました。
体験コーナーギャラリー
岸野楓さんが語る「きこえない人たちの挑戦」
基調講演では、岸野さんが小・中学校では地域の学校、高校からはろう学校で学んだ経験を振り返りながら、自身の生い立ちとデフラグビーとの出会いについて語りました。子どものころ、自分の発音を周囲に見られた経験から話すことが苦手になったこと、そして大人になってから、自分の障がいや必要なことを自分から伝える大切さに気づいたことなどが紹介されました。
続いて、7人制デフラグビーのルールや見どころを、映像も交えて紹介。選手は音に頼らず、アイコンタクトやジェスチャーを使って仲間と意思を伝え合います。また、笛ではなく旗やタオルなど視覚的な合図を使うレフリーの工夫など、デフラグビーならではの特徴も紹介されました。
「世界大会をぜひ見に行きたいと思ってもらえるように」と始まった講演。アンケートには「デフラグビーに大変興味が湧いた」「ルールや見どころが分かり、観戦したくなった」といった声が多く寄せられました。
世界大会の先に、何を残していくのか
後半のトークセッションには、岸野さん、大塚さんに加え、府中市聴覚障害者協会の髙野淳子さん、中途失聴・難聴者「つばさの会」府中の小橋由里子さんが登壇。世界大会をきっかけに何が広がってほしいか、そして「Equal through Rugby(ラグビーを通しての平等)」が目指す社会について、それぞれの立場から話しました。
髙野さんからは、世界大会をきっかけにデフラグビーやデフスポーツを子どもたちにも広めていきたいという思いが、小橋さんからは、難聴者に欠かせない要約筆記について知ってもらい、理解や担い手の広がりにつなげたいという思いが語られました。
岸野さんは、きこえるチームとサイレントレフリーで試合をした経験を紹介。きこえる側、きこえない側のどちらか一方に合わせるのではなく、双方に新しい気づきや学びが生まれる環境をつくることが「本当の意味での平等」だと語りました。大塚さんからも、文字情報や手話通訳など、さまざまな人に情報が届く大会にすることで、これまで聴覚障害と接点のなかった人にも新しい気づきが生まれ、それが平等への第一歩になるとの話がありました。
アンケートから見えたこと
満足度
アンケートには77人から回答がありました。満足度の有効回答76人のうち、「とても満足」58人、「満足」17人で、合わせて75人(98.7%)となりました。
自由記述
自由記述では、デフラグビーを初めて知った、理解が深まったという声に加え、「世界大会を観に行きたい」「応援に行く」「家族や知人にも伝えたい」といった、次の行動につながる声が多く寄せられました。また、「要約筆記の重要性を初めて知った」「本当の平等について改めて考える機会になった」など、デフラグビーを入口に、情報保障や聴覚障害、コミュニケーションについて考えたという声もありました。
「デフラグビーのことを知ることができ、さらに、立場の違う人を知り、理解し、共に心地良くすごすことの大切さを改めて考えることができました。」
「「要約筆記」の重要性も初めて知りました。情報保障についてこれからも意識していきたいと思います。」
「デフラグビーの活動を知れたことと、本当の平等についてあらためて考える機会になった。」
難しいテーマを、どう伝えていくか
今回の講演会のテーマは、「デフラグビー きこえない人たちの挑戦! ~Equal through Rugby~ が目指す社会」。タイトルにもあるとおり、デフラグビーを知ることだけではなく、デフラグビーを入口に、きこえない・きこえにくい人への理解を広げ、その先にある社会について考えることを目指した講演会でした。
アンケートでは、トークセッションの問いかけについて「難しすぎる」「分かりにくかった」という声もありました。確かに、複雑な問いであったとも思います。一方で、きこえない・きこえにくい人を取り巻く課題や、「Equal through Rugby」が目指す社会は、簡単に答えの出るテーマではありません。
だからこそ、こうした難しいテーマをどうすれば分かりやすく伝えられるのか。きこえない・きこえにくい人への理解を広げることについて、難しいことを分かりやすく言葉にしていくことも、今回の講演会を通して改めて見えてきた課題です。これからも、一般の人に、それが伝わる方法を考え続けていく必要があると感じた講演会でした。
世界大会へ、つながる一歩
講演会の最後は、デフラグビーの試合終了の合図にならい、会場のみんなでタオルやハンカチを頭上で回してエールを送りました。デフラグビーを知ることから始まり、きこえ方の違いや情報の伝わり方、そして「平等」について考えた今回の講演会。それぞれが持ち帰った一歩が、世界大会、そしてその先へとつながっていくことを願っています。
第3回7人制デフラグビー世界大会は、2026年10月31日、11月2日、11月3日の3日間、東京都内3会場で開催されます。ぜひ会場で、デフラグビー日本代表を応援しましょう!
◆◆◆第3回7人制デフラグビー世界大会公式ホームページはこちらをクリック◆◆◆
開催概要
日時:2026年8月26日(水) 体験・展示 14:00~17:00/講演会 19:00~20:30
会場:府中市市民活動センター プラッツ5階 バルトホール
主催:府中市市民活動センター プラッツ
協力:日本聴覚障がい者ラグビーフットボール連盟、府中市聴覚障害者協会、中途失聴・難聴者「つばさの会」府中、手話サークルかんたん、手話サークルてとて、株式会社リコー(Pekoe)


