『「伝えたい!」が「伝わる!」に変わる!チラシデザイン』専門講座第2回開催レポート
2026年度市民活動専門講座の第2回は『「伝えたい!」が「伝わる!」に変わる!チラシデザイン』をテーマに開催しました。 講師には株式会社ハレル舎の代表でありデザイナーの春山はるな氏をお招きしました。
デザインとは何でしょう?
デザインソフトの使い方ではなく、デザインの考え方について学ぶ本講座。
講師の春山氏は冒頭で「デザインとは整理をすること、つまり情報の編集である」とお話しされました。
私たちは情報過多の時代を生きており、人々は非常に多忙です。
そのため、チラシの隅から隅までを最初から読み込む人はいない。
だからこそ「何を伝えて、何を伝えないか」という情報の優先順位を決める。
見る人に優しい情報整理を行うことが極めて重要であると語られました。
人は読まない。
チラシの表面と裏面の役割について本の表紙と中身の関係を例に解説いただきました。
表面は表紙であり、手に取ってもらうための情報=タイトル、日時、場所、etc...を配します。
人の視線が流れる「Zの法則」などのちょっとしたテクニックにも触れられました。
裏面は中身であり、表面で興味を持ってくれた人がさらに知るための情報=イベントの詳細やアクセスなどを入れます。
興味を持っている人が見るため、多少小さな文字になっても読んでもらえます。
そのため、活動理念や熱い想いなどをすべてチラシに詰め込むと一番大切な情報が埋もれてしまいます。
これらはWebサイトやSNSに誘導して読んでもらうなど、情報を整理してあえて省く勇気を持つことが結果として多くの人に届く近道になるとお話になりました。
また重要な考え方として「伝わらないのではなく、人は読まない」と示されました。
だからこそ、ここまでで語られた読んでもらう工夫=情報整理が必要であるとのことでした。
誰に来てほしいですか?
「デザインは、誰にでも伝えようとすると、誰にも伝わらない」という鉄則が示されました。
具体的な事例として、講師が手がけたとある料理家のイベントのチラシを例に解説されました。
「その料理家のファン」「平日に参加できる30〜40代の女性」「料理や野菜が好きな人」という具体的なターゲットを想定します。
そうすることで「写真を大きく配置する」「フォントを親しみやすいものにする」といったデザインの具体的な方向性が決まるプロセスが紹介されました。
また、余白を大胆に活かした短歌イベントのチラシや地域の人々に愛される旧国立駅舎でのイベントチラシなど、ターゲットや場所、伝えたいメッセージに応じて情報の密度やアプローチを臨機応変に変える実例を見せていただきました。
何を、誰に一番伝えたいか
後半は、お互いの活動や持ち寄ったチラシを題材に2枚のワークシートを用いたグループワークを実施しました。
参加者はまず1枚目のシートに自身の活動内容について「一番伝えたいものは何か」、「誰に届けたいか」などを書き出しました。
その後、グループ内で各自3分間の発表を行い、他のメンバーから「良かったところ」や「聞いていて疑問に思ったこと・興味を持ったこと」を付箋に書いてフィードバックし合いました。
他者からの客観的な視点を得ることで自団体のチラシやデザインを見直す、伝えるべき強みや魅力に気づく貴重な時間となりました。
AI時代のデザイン
グループワークの共有セッションでは非常に興味深い発見が共有されました。
あるグループでは参加者4人中3人がAIツールを利用してチラシを試作して持ち寄っていました。
そのうちの2人のチラシの見かけやレイアウトがほぼ同じデザインになってしまっていたとのこと。
春山氏からは以下のアドバイスが送られました。
- AIなどのデザインテンプレートは非常に便利で活用すべき
- しかし、そのまま使うと他と似てしまって自分たちの発信したい個性が埋もれて損をしてしまうことがある
- まず自分たちで主体的に「情報の整理」を行う
- その後に客観的な視点を持ちながらAIと相談して作り上げていくことが大切である
AIを使えば誰もがデザインできる時代だからこそ、この講義で語られたことはこれからますます重要になっていくのではないでしょうか。
デザインは想像力。
講座のまとめとして、デザインとは「相手(このチラシを誰が、どんな場所で、どんな気持ちで手に取るか)を想像する力」であると語られました。
チラシの限られたスペースを貴重なものとして捉え、客観的に「何を載せるべきか」を常に問いかけ、「あえて省く勇気」を持つ。
そうして見る人に優しいチラシを作ることが、地域活動や事業を本当に届けたい人に届けるための第一歩となるとお話されました。
今回の講座は参加者の皆さんにとって自団体のチラシを見直すだけでなく、今後のデザインや広報に対する大きなヒントを得る機会となったのではないでしょうか。
終了後にご記入いただいたアンケートでも、
「チラシ作成の考え方、手順を知ることが出来て、今後作っていくときにやればいいことが明確になってよかったです」
「創業にあたり、情報発信のためのチラシ作りについてイメージがもてた」
「春山先生の話がとても心地よく聞きやすかったです。第3者からのフィードバックをいただけたので、今後のチラシ作成に活かしていきたいです」
とのお声があり、その機会を掴んだ講座であったことが窺えました。


