【講演会】いのち・ゆめ・人間らしさ~フリードル先生とテレジン収容所の小さな画家たち~ 野村路子講演会&ワークショップ 開催レポート
ノンフィクション作家の野村路子さんをお招きし、テレジン収容所の子どもたちの絵との出会いと、その後の活動についてお話しいただきました。

写真提供「地域と映像」
テレジン収容所の子どもたちの絵との出会い
野村さんは1989年、娘さんとの卒業旅行で訪れた東欧で、アウシュビッツの過酷な現実に触れ、その翌日に訪れたプラハの街角で偶然「テレジン収容所の子どもたちの絵」に出会いました。展示されていた絵の背景を知りたいと思い、資料を読み解く中で、約15,000人の子どもがテレジンに収容され、4000枚の絵が奇跡的に残されたことを知ります。絵の多くには “家に帰りたい” “自由に飛び立ちたい” という思いが込められていました。
子どもたちが残した絵とフリードル先生のことを伝えたい
帰国後、野村さんは「自らの危険を顧みず子どもたちに絵を教えたフリードル・ディッカー先生のこと、先生のもと、悲惨な収容所の中でも希望を描いた子どもたちのことを日本に伝えたい」と決意し、チェコとの交渉を重ねて1991年、日本での初めての「テレジン収容所の幼い画家たち展」を実現しました。その後も活動を続け、生存者とも交流しながら、子どもたちが絵を描くことで笑顔を取り戻したという事実や、ホロコーストを語り継ぐ重要性を伝え続けています。
講演では、現在のガザの子どもたちの絵との共通点にも触れ、「国や時代が違っても、子どもたちの願いは同じ」と語られました。最後に、「知ってしまった人には伝える義務がある」という言葉が印象的でした。
89歳のお誕生日を迎える今もなお、平和を願い子どもたちの声を届ける活動を続けておられる野村さんの姿に、会場は深い感動に包まれました。
「テレジンを語りつぐ会府中」によるワークショップ
講演会のあとは、テレジンの子どもたちに思いを馳せながら、ノートサイズの作品を制作しました。当時と同じように短くなったクレヨンや色紙、毛糸のほか、草花などの自然素材を自由に貼り付けて。五感を使い、自分が蝶になって飛んでいく姿や、テレジンの子どもたちが感じていたであろう楽しい時間を表現したり、参加者それぞれが思い思いに作品を作り上げました。
ワークショップを行うことにより、「とても楽しかった」「講演の理解が深まった」「絵を描くことで子どもの気持ちを想像できた」というお声をいただきました。
今回の講演会は参加者の心に深く残る強いメッセージが伝わったようです。
「知らなかった歴史・事実に触れられたことへの感謝」「子どもたちの絵から平和の価値を学ぶ」「野村さんの熱意と誠実な語り」「現代の世界情勢とつながる“いのちへのまなざし」
いただいたアンケートの内容から、参加者一人ひとりが「自分にできること」「次世代へ伝える責務」を考える時間となったことが伝わってきました。
最後に、もうすぐお誕生日を迎える野村さんに、会場に飾ったお花を花束にして皆でお祝いをしました。
展示会は1/27まで開催します。

資料提供:野村路子氏

資料提供:野村路子氏
テレジン収容所の子どもたちが残した絵と、ガザの子どもたちが描いた絵──
場所も時代もまったく違うのに、そこに宿る願いが驚くほど似通っているという指摘は胸に迫るものがあります。
「家に帰りたい」「家族に会いたい」「楽しかった日々を取り戻したい」「鳥や蝶になって自由に飛び立ちたい」
それは戦争や暴力という現実の前でも、子どもが子どもであることを手放さないための、最も素朴で根源的な想いなのだと思います。
この展示を観て心に残った情景や、伝えたいメッセージがあれば、感想を書いていただくコーナーもありますので、是非ご記入ください。
展示会は以下の期間開催しています。是非ご来場ください。
1月7日(水)ー 1月25日(日)8:30-22:00(25日は17:00まで) プラッツ5階フリースペース
1月26(月) ー 1月27日(火)10:00-17:00 プラッツ6階第2会議室


