渡邉 秀雄さん、渡邉 浩美さん(プラッツインターン 作成記事)
府中を中心に、子どもたちに科学体験を行っている科学体験クラブ府中。
「科学体験」を通じて、20年以上の長い期間、府中市の子どもたちと交流を行ってきました。今回は代表を務めていらっしゃる渡邉 秀雄さん・浩美さんご夫妻にお話を伺いました。
子どもたちに驚きや感動を味わってほしい!!
左から、渡邉秀雄さん、渡邉浩美さん
普段はどのような活動を行っていますか?
私たち科学体験クラブ府中は、団体のメンバー間で月に1度、イベントで子どもたちに作ってもらう「アイテム」についての研修と、依頼を受けたイベントでの出展を行っています。
科学体験とは聞きなれない言葉ですが、いったいどんなものでしょうか?
うーん、難しい質問ですね、(笑)
わかりやすく言うのであれば、科学要素の入った工作などを通して、不思議や驚きを体験してもらうことを指すと思います、科学工作と呼ぶ人もいます。
例えばですが、飛行機を作成して飛ばしてみようというイベントを行うことがあります。
飛行機作成後は、実際に遊んでもらうのですが、飛行機の尾翼の向きを傾けることで、飛行機が左側に飛ぶようになったり、旋回したりすることを飛ばしながら学んでいきます。
そして、気づいたときには自然と飛行機の尾翼の仕組みを理解してくれるんですよね。
ただ、工作するだけではなく、実際に作ってもらい遊んでもらう。これらの工程が子どもたちにとって、科学への入り口になったらいいなと思っています。
科学体験のイベントは子どもたちを対象に行っていると伺っていますが、子どもたちと接する上で大切にしていることはありますか?
まず、子どもたちに危ないことは絶対にさせません、子どもたちの安全が一番大切です。
その為にも、刃物を扱うなどの危ない作業は、イベント開催前や準備日に団体のメンバーで行うようにします。
そのうえで、子どもたちが科学工作に「触れる」ことで、科学が身近に存在していて、実生活で役に立っていることを知ってほしいなと思っています。
昔の子どもたちは、おもちゃを自分で作ることが当たり前で、だからこそ、彼らはおもちゃの仕組みなどを理解していました。そうじゃないと、実際に作ることはできないですからね。
しかし、現在のおもちゃは作って遊ぶものではなく、買って遊ぶものになりました。
その為、今の子どもたちはその仕組みを理解せずとも遊べるんですよね。
だからこそ、自分自身で作ってもらい、その仕組みを知ってもらうことが大切だと思っています。
また、重要なこととして、子どもたちが科学工作に触れたときに「どうしてこうなるんだろう」と考えてもらいたいと思っています。
そのために、子どもたちに対して仕組み等をすぐに教えることはしないようにしています。
私たちが科学体験のイベントを行う際に大切にしている事ですが、彼らには科学工作を通じて、驚きや気づき、不思議という気持ちを感じてほしいと思っています。
「どうしてこうなるの!?」だったり、「なんで!?」といった言葉を子どもたちから聞く瞬間が、活動していて一番うれしいことです。
科学体験イベントの様子
なぜ、子どもたちに驚き、不思議を体験してもらいたいと思っているのでしょうか?
物事への興味のきっかけは驚き、不思議、感動から生まれると考えているからです。
昔の子どもたちは、不思議なものや現象を見たら「どうなってるの?」だったり「なんでなんで?」とすぐに大人に聞いてきましたが、今の子どもたちはそういったことをしない子が多い気がします。
これは恐らく、子どもたちの驚き、不思議を体験する場が少しずつ減っていることが理由ではないかと考えています。
事実、小学校の理科の実験の機会が減っていることもあるので、子どもたちにとって科学のイベントが体験をする場の1つとしてありたいと考えています。
最後になりますが、科学体験クラブ府中さんの今後の目標を教えてください。
今後の目標としては2つあって、1つ目は科学体験で作るアイテムの種類を増やすことです。アイテムは、時代の変化に合わせて随時変更を行っており、時代に即していないものは作らないようにしています。
最近だと、SDGsの観点から、プラスチックのストローを使用しないようにしました。
2つ目は、団体のメンバーの若返りを図りたいと思っています。団体自体が長い歴史があるからこそ、メンバーの高齢化が進んでいます。なので、その問題を何とかしたいなあと思っています。
それこそ、小さい頃に科学体験に参加してくださった子どもたちが大人になったとき、私たちのメンバーになってくれたらとても嬉しいです
~インタビューを終えて~
インタビューを終えた後、実際に持ってきてくださった「アイテム」について、渡邉さんが楽しそうに紹介、実演をしてくださりました。実は、私も小学生の時に科学体験のイベントに参加した思い出があり、大学生になった今でも楽しかったことを覚えています。
渡邉さんの科学工作や子どもたちに対する真摯な姿勢が、科学体験のイベントを楽しい雰囲気にするのではないかと思いました。
渡邉さん、インタビューを快く引き受けていただき、ありがとうございました!
(2023年5月27日 取材・文:インターン 辻 隼人)
アイテム紹介
くるくる磁石人形
磁石を近づけると、人形がくるくる動きながら、磁石を逃げていきます。
光の小箱
光に当たると綺麗!! インテリアにも使えます!!
マーブリング
特殊な絵の具を水面上に乗せて、紙をかぶせるときれいな絵が描けます。
テトロミノ
いろんな種類のブロックを揃えて箱にしまいましょう!種類は全部で783通り!!
科学体験クラブ府中 今後のイベント参加のお知らせ
2023/06/03(土) 府中環境まつり2023(府中公園)
出展団体として参加予定。是非お越しください!!
詳しくは、科学体験クラブ府中のHP、府中環境まつり2023のHPをご覧ください。