深澤 広太郎さん(プラッツインターン 作成記事)
府中市の観光案内を行っている団体である府中市観光ボランティアの会。
5年前から活動に参加し、会の副代表を2年、代表を2年務めていらっしゃる深澤さんは、府中市のご出身ではなく、転勤族であったそうです。なぜ活動する場にこの府中市を選んだのか、活動のやりがい、さらに府中の魅力について語ってくださいました。
府中の魅力を伝えたい!!
深澤広太郎さん(府中市観光ボランティアの会)
府中市の地域文化の発展に寄与
―「府中市観光ボランティアの会」の活動内容はどういったものでしょうか。
この団体の目的は、府中市内の史跡、観光名所、イベントをPRすることで市内外の観光客を誘致し、地域文化の発展に寄与することです。主に府中市内をめぐるミニツアーや、競馬場などひとつの施設やテーマをピックアップして行う企画観光ツアー、市内の小中学校の生徒に対して郷土の歴史と文化の課外授業などを行っています。他にもお客様からリクエストがあれば、「ケヤキ並木」や「国府について」などのオーダーに合ったツアーを組んで案内することもあります。また、府中市で開催されている酒まつりや桜まつりなどのイベントでビラ配り等の協力も行っています。
歴史が凝縮されたまち「府中」
―府中市で活動を始めたきっかけは何ですか。
府中に住み始めたのは15年前からで、緑が多く、手入れも行き届いている「ケヤキ並木」をみたときに府中に決めました。銀行を退職して少しでも誰かの役に立つことをやりたいと思い、市報で見たこの活動に参加することにしました。はじめから特に歴史が好きで始めたわけではないんですが、退職後、余暇の過ごし方の一環として、東北地方の古寺を散策することに興味が湧き、毎年夏には出かけていました。そんな関係で国府のあった地元の歴史をもっと知りたいと思ったことが活動のきっかけになりました。
―「緑が多い」以外の府中市の魅力ってなんでしょうか。
府中の魅力は、なんといっても「歴史が凝縮されたまち」「国府があったまち」であるということです。府中には昔、武蔵国という現在の埼玉県、東京都、川崎、横浜にまたがる大きな国の国府がありました。今でいう都庁が府中市にあったということなんですよ。今の東京よりも大きい武蔵国の中心が府中市にあったということ。国府ができたから、府中では人の移動があり宿場、馬市ができたんです。
市民の方は意外と大國魂神社の歴史や国府のことを知らないことが多いんです。これだけの歴史が凝縮されたまちというのはそうありません。ひとりでも多くの府中市民にもっと歴史を知ってほしいですね。「おらが住んでる街はこんなに魅力的な歴史のあるまちだよ」って誇りとプライドをもってほしいです。そういう意味で、小学生への案内は大切だと思っています。生まれたところに誇りを持ってほしいんです。
勉強をして引き出しを持つということが楽しい
―歴史が好きではないとおっしゃっていましたが、とてもそんな風に見えません。すらすらと楽しそうにお話しされるのはなぜなのでしょうか。
そりゃ5年もやっていればすらすらも話せますよ(笑)
会には歴史が好きで入った人も多いので、先輩方には歴史に詳しい人がたくさんいるんです。先輩方に追いつこうと、自分なりに各歴史講座に参加したり・図書館やパソコンで資料をたくさん読んで勉強しました。
―深澤さんが活動を行ううえでの原動力は何なのでしょうか。
やはり楽しいからですよ。もっと勉強して引き出しを持つということが楽しい。ケヤキ並木にある源義家像の前で学んだ通りの歴史を説明するのは簡単ですが、さらにそこから自分なりの説明を付け足す。自分の説明でお客様が喜んでくれることがやりがいですね。
話すことはたくさんあるし、歴史は勉強していくうちに楽しくなります。それを会員の皆さんと共有し、その情報をもとにガイドツアープランをアップグレードしています。歴史は変わっていくので、新しく勉強しなければならないことが増えていくんです。それも楽しいですね。
府中のために行うことが、私にはたまたまガイドであったということです
―府中市観光ボランティアの会は府中の歴史を知ってもらい、市民に誇りとプライドを持ってもらうことが第一目標。さらに府中に関心を持ってもらい、これから地域で自分がどう活躍できるかを市民ひとりひとりが考えてほしいというのが第二目標ということでしょうか。
そうですね。私は市の観光振興プラン検討委員会のメンバーにもなっているんですが、地域の活性化のためにはどうしたらよいのか、さまざまな異業種の方々と話します。市に対して色々な要望書を出したりもしています。会員の中には手話を学んで、ガイドに活かしている人もいるんです。
―これからの活動に対する想いをお願いします。
少しでも自分の今までのノウハウや勉強が府中のために役に立てれば、嬉しいです。それが一歩進んで地域の活性化に役立てばいいなと思います。府中のために行うことが、たまたま私にはガイドであったということです。
物心ついたときから府中に住んでいる私にとって、「府中」はあまりにも身近すぎて学ぶ対象になっていませんでした。インタビューでは、この記事には書ききれないくらい多くの府中の歴史を楽しくお話してくださいました。歴史は比較的苦手な私でさえ「せっかく府中に住んでいるのに知らないなんてもったいない!」「もっと勉強してみたい!」と思うほど、深澤さんのお話は興味をそそられました。
歴史を知ることで府中に誇りが生まれ、愛着が沸く。そしてこの府中という場を活性化するには自分がどう関与していけるのかを考える。そういったサイクルができていくためには、府中市観光ボランティアの会の活動というのは、非常に重要な立ち位置を占められていると感じました。府中市民の方々に府中の歴史が、もっともっと知られていってほしいと思いました。深澤さんのお話を聞いて私に府中市民としてのプライドが目覚めました!深澤さん、ありがとうございました。
(2020年12月25日 取材、文:インターン 的場 絢香)
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