小泉 勇太さん(プラッツインターン 作成記事)
朝の澄んだ空気の中、郷土の森公園の修景池周辺でゆったりとした音楽が流れている。
太極拳を通じ、健康で楽しく笑って過ごせる毎日を目標に活動されている「健康楽笑なごみ」。
今回は団体の代表である小泉さんに、太極拳を通じた地域のコミュニケーションの場の大切さや、どのようにして参加者同士の雰囲気が良い団体になったのかについて想いを伺いました。
太極拳を通じて、楽しい毎日を
小泉 勇太さん(健康楽笑なごみ 代表)
―「まず初めに、小泉さんが太極拳の活動を始めたきっかけは何ですか。」
太極拳自体は大学のサークルがきっかけです。大学に入ったら何か武道をやりたいと考えていたところ、太極拳のサークルがあったため入りました。
私自身が太極拳を初めてちょうど5年が経っていたので、これから太極拳を始めたいと思っている方に対して私の習得しているものをアウトプットする中で、自身の理解を深めると同時に指導経験を積みたいなと思ったのがきっかけです。
―「先日、健康楽笑なごみさんの活動に参加させていただいたとき、参加者同士が和気あいあいとしながら、小泉さんから習った内容を教え合っていらっしゃいました。どのようにしてこのような良い雰囲気になったのですか。」
進度に応じてグループを2つに分けて練習を進めています。どちらかのグループの指導をさせていただいてるときは、もう一方のグループはフリーになります。フリーのグループにはすでに習得していることの自己チェックと参加者同士での確認をしてもらい現状の理解度をご自身たちで把握し、分からない点を出来る範囲で洗い出していただく時間にしています。その時のメンバーの方々の積極的な姿勢が今の雰囲気に繋がっているのではないかと思います。
―「活動を通じて一番力を入れていることは何ですか。」
1回来てそれっきりになってしまうのではなく、継続してもらうことです。
そのために、基礎から丁寧に覚えていただき不必要な挫折をできるかぎりしないよう徐々に内容の難易度をあげていきます。そのうえでつまずいた場合は私もフォローするし、前の質問の回答とも被りますが参加者同士でもお互いフォロー・確認しあえるような雰囲気を作れるよう努力しています。このメンバー同士のコミュニケーションがなごみの一員として活動する充実感にもつながるのではないかと思います。
また、1度ケガをすると練習期間が途絶えて継続が困難になってしまうので、準備体操や安全管理にも気を使っております。
これらの取り組みが団体のコンセプトである「太極拳等を通じて健康で楽しく笑って過ごせる毎日をめざす」につながってきます。
―「参加者同士楽しく集まることができて、健康にもつながる。きれいな空気も吸えますし、本当にいいこと尽くしですね。」
最近はコロナの影響で身体を動かす機会が減ったのではないかと思います。青空の下、季節によってはハスが一面に広がっている池を見ながらの運動はとても気持ちが良いです。郷土の森公園という、少し足を延ばせば行ける場所で練習を実施しているので、少しでも興味がある方はお気軽にお越しください。公園に来るまでが既に運動にもなりますしね。
実を言うと、太極拳に参加しなくても良いんです。活動を覗きに来ることで顔見知りができていろんな方とお話をして、朝から気分の良い1日を過ごしてもらう。それが続けば良い毎日になると思うんです。
―「今後も太極拳を通じた活動をして目指したいことは何ですか。」
太極拳は比較的認知度も低く、とっつきにくいものなんじゃないかと思います。これを当団体が窓口となって、多くの人がもっと気軽に取り組むことで楽しく笑って過ごせる毎日を送ってもらえるようになったら私もうれしく思います。
もう一つは、参加者同士で知り合いが増えていき、私が居なくても「朝集まって太極拳をやろうよ」というような、地域のコミュニティになって欲しいなと思っています。いろんなレベルの人が一緒になって練習できる、地域で助け合える場として楽しく笑いながら健康を目指すことができる団体になったらよいな、と思います。
誰しもコロナ禍で、後ろ向きになってしまうことがあると思います。実際に私も暗い気分になってしまっていました。しかし、家庭や学校、職場で閉塞感を感じていても、別の場所ではいつもと違う自分になることができます。気分転換のためにも、そのような場は必要です。
小泉さんは参加者である年上のみなさんへの接し方も丁寧で、「太極拳では私が前に立たせていただいている。だけど人生の先輩は参加者であるみなさん」という小泉さんの言葉からも、参加者を敬い、小泉さんがいかに地域のコミュニケーションの場を大切にしているかが伝わってきました。
選択肢は今いる場所だけではない、今いる場所で窮屈な気分になっていたら、自分が好きな自分でいることが出来る場所を新たに見つければよいのだと気づくことが出来ました。
小泉さん、インタビューを引き受けてくださりありがとうございました。
(2022年2月7日 取材・文:金田有希)