【市民活動専門講座8】「NPOの後継者に聞く!持続可能な団体運営のコツ」開催レポート
先日開催された専門講座の第8回では、持続可能なNPO運営の重要性とその方法について学びました。講師は、NPO法人フュージョン長池の代表、また八王子市で様々な地域活動に参画している田所喬さんです。多彩な経験から得たノウハウに、参加者の皆さんは大きな刺激を受けていました。
団体の「あり方」と、運営の「やり方」への向合い方
NPOフュージョン長池は1999年の設立以来、公園管理、環境学習センターの指定管理事業などを通じて、まちづくり、地域づくりを推進し、地域が主役のマネジメントに取り組んでいます。
NPOフュージョン長池の代表となっている田所さんも、初めは地域活動に関わったことがなかったそう。カナダ留学の経験で感じた国籍を超えた繋がりや、ご自身の子どもが誕生して地域に目が向いたこと、そして前理事長との出会いが大きな転機となり、今では小・中学校のPTA会長を歴任し、消防団としての活動も行っているそうです。
ご自身の体験から得た、組織の継承をした時の重要なポイントを以下のように強調しました。
- 代表を交代するときは、活動する仲間の意見に丁寧に耳を傾け、同意と納得を得る。
- 代表は自分の分身を探さず、適材適所を見極める。
- 「あり方」は継承し、「やり方」は継承しない。
- 「代表の周りに誰がいるか」が肝心
またそれ以外にも、継承した組織は柔軟に変えられるし変えていいといった運営に関するポイントや、組織として、スタッフが補完し合える関係をつくることの重要性、団体活動により多くの人が参画してくれる入口の整備の重要性に関して紹介がありました。
NPOフュージョン長池の組織運営についても、継承前の新規事業の創出を重視していたアプローチとは異なり、スタッフ間での議論の結果、現在は受託事業や賛助会員の強化を重視した運営へ舵を切っているそうです。
最後の質問タイムでは、行政との関係性や、協働や協力に関する団体間の距離感、NPO団体としてのあり方について質問・議論が交わされました。
講座を通して、参加者からは「”特効薬”はないことを一緒に考えて大変有意義でした。」といった感想や、「後援のこと承継のこと、団体内外との情報共有の重要性など、いろいろなヒントをいただくことができました!」という嬉しいコメントをいただきました。
NPOや地域団体の継続的な活動へ向けた、具体的なヒントが詰まった本講座では、持続可能な団体運営という大きなテーマを通じて、メンバーの能力、役割と責任を見極め、個人のやりたいこと、得意なことを尊重した運営が如何に大切かを学ぶ機会となりました。