【市民活動専門講座】「伝わる!助成金申請書の書き方~団体の未来をつくるための資金獲得につなげる~」1回目開催レポート
助成する組織の目的を深く理解し、「団体の思い」を申請書に入れ込むにはいくつかのポイントがあります。
目前の事業のためだけではなく、数年後に向けて団体活動をさらに豊かに元気にするための資金としての活用方法と、採択されやすい助成金申請書の書き方をGETします!
基本的な考え方と、申請前にやっておきたいこと
ビジョン、ミッション、戦略
1回目の今回は、助成金についての基本的な考え方と、申請前にやっておきたいことの2点を学びました。
助成金の基本的な考え方として、まず助成金はネット情報戦だということです。
団体は助成金情報をネットで調べ、助成機関は団体情報をネットで調べます。助成機関は、団体が世の中をどう変えていきたいのか(ビジョン)、何を取り組むのか(ミッション)、ポリシーの可視化(戦略)を見ています。ここをしっかりと簡潔な言葉で掲載しておくことが必要です。
さらに、助成金を得ることは、単に事業資金を調達し消費することではなく、助成金が終了した後の団体の在り方を考える機会でもあり、団体をさらに成長させていくためのものです。世間から社会的にも評価をされる場機会ともなります。
助成金の実績を活かし、他の財源との相乗効果を狙う
助成金には長所も短所もあります。助成金の性質を知り、自分たちにとって必要なであるのか、助成金に振り回されずによりよく活用するためにはどうしたらよいかの視点を持つことが大事です。
それには、出口戦略を考えておくことが必要です。助成金の「穴」をどう埋めながら発展させるのか、今後の財源計画を立てること。そして、助成金の実績を活かしながら他の財源との相乗効果をねらうこと。
財源とは、おおむね「事業収益」「寄付・会費」「助成金」に分けられます。
助成金は新規事業への後押しだけでなく、採択者の信用力(看板)もついてきます。新規事業や信用力は認知度の向上にもつながります。
団体を運営するうえで「相乗効果」は常に頭の中で描いておく必要があります。「自団体は、どのような運営を目指したいのか(ミッション、ビジョン、戦略)」を常に団体内で共有することが、団体の成長につながります。
参加者の感想
「申請を全体感としてとらえる考え方を学んだ」「申請書の書き方、大事なポイントがわかった。HP作成も対象になるとわかって良かった」「先生からのエピソードがとてもためになりました。ふわっとしがちな所を基本からお話し頂きありがたかったです」などの感想をいただいています。
2回目の次回は、「助成金に採択されるために必要なこと」を中心に学びます。より、実践的な内容になります。
【1/21、28日終了】市民活動専門講座「伝わる!助成金申請書の書き方 ~団体の未来をつくるための資金獲得につなげる~」
講師紹介
徳永洋子氏
ファンドレイジング・ラボ 代表、日本ファンドレイジング協会 理事、佐賀未来創造基金 理事、日本吟剣詩舞振興会 理事、かわさき市民しきん評議員、社会貢献支援財団 評議員、日本財団ボランティアセンター評議員、法政大学・相模洋子氏女子大学 非常勤講師
1998年から日本フィランソロピー協会で視覚障害者向け録音図書のネット配信事業「声の花束」を担当。
2000年よりシリーズ・市民活動を支える制度をつくる会で、おもにNPOのファンドレイジング(資金調達)力の工場事業に従事。そのプロジェクトの一環として、日本ファンドレイジング協会の設立を担当。
2009年2月、同協会設立と同時に同協会事務局次長となり。2012年6月より2014年末まで同協会事務局長。現在は同協会理事。
2015年2月に「ファンドレイジング・ラボ」を立ち上げた。