【市民活動専門講座】「伝わる!助成金申請書の書き方~団体の未来をつくるための資金獲得につなげる~」2回目開催レポート
前回に引き続き、ファンドレイジング・ラボ 代表の徳永洋子さんを講師に迎え2回目の講座を開催しました。
今回は具体的な助成金申請書の書き方に加え、プレゼンのポイント、採択されなかった場合も含めた助成元との付き合い方など、申請して終わりではなく、申請をすることによるさらなる団体の成長を見越した内容の講座となりました。
助成金申請書の書き方だけじゃない!助成金獲得のポイント
前回の振返りとクイズ
(1) 助成金の締め切りが一番多いのは?
(2) 助成金の申請上限額で一番多い金額は?
(3) 助成金の採択率の平均は?
というクイズを通して、自団体に適した助成金の特性について学びました。
申請書を1度書いておけば、ほかの助成金にも利用できるし、実績作りと練習にもなります。
わかってもらえる申請書の書き方
団体のミッションと申請事業の整合性、申請事業と助成プログラムとの整合性、審査員にわかりやすい簡潔な文章(専門用語は最小限に。)、空欄はダメ、書式(文字数)、添付書類、提出期限などを厳守する。連絡先は重要!
ということで、審査する側の立場に立つと、どのような申請書が見やすくわかりやすいのかということが見えてきます。特に空欄が多いと低評価につながります。書くことがないのなら○○のため記入できないという内容を書くとよいそうです。
具体的な各項目の書き方
■申請事業名
事業名を見ただけで、申請する事業内容が分かるもの、具体的に何を目的として活動するのか、ミッションは何なのかが事業名で読み取れるようにしましょう。「わくわくどきどき~」などのようなキャッチーな言葉は、逆にわかりにくい印象を受けるようです。
■事業の目的【解決すべき地域課題】
例えば、経済格差によるこどもの体験格差~について解消したいということを、目的とするならば、府中市の人口、収入の減り具合、などの資料を具体的に示したり、出典データも盛り込んだりすると説得力が増します。
その他、• 事業の目的・内容・期待される効果、• 次年度以降の事業計画(自立化の予定)• 実施体制実施スケジュールについても具体的にわかりやすく記載するのがよいということを学びました。
ロジックモデルについても説明いただきました。
事業が成果を上げる為の要素を図に示したもので、「もし~すると~になる」の因果関係を「可視化して、事業の必要性の根拠を表すものです。
予算計画策定5つのポイント
助成元のルール(科目・上限額)に合わせて、それぞれの積算根拠をできるだけ詳細に備考欄などに記載すること。無理のない予算立てをする。(出来ないことはやらない。)や、不明な点は助成元に質問、申請要項をよく読み、説明会があれば参加する。といったことがポイントとして挙げられました。
公開プレゼン・ヒアリング
好感度をあげる態度と物腰、本気度を表す、持ち時間に注意する、視覚的に訴える(いい写真、わかり易いグラフ)、想定問答集(助成金の波及効果、事業の新規性や下調べ)をつくっておく。練習をする、などのポイントを挙げ、事例を交えたエピソードを聞かせていただきました。
助成元との付き合い方
緊密なコミュニケーション、約束を守る、やむを得ない変更は、必ず事前に助成元の担当者に連絡する、助成元の資源を活用する。など、良好な関係を保つことにより、今後の事業の進め方にも効果が出ること、また、助成を受けたことを明示することも大事なことで、助成を受けた=社会性信用につながること、団体にとってのプラスになることを再確認しました。
報告書の書き方も含め、終了後も助成元との関係を維持することで、多くのメリットがあったという体験も聞かせていただきました。
番外編
審査に通らなかった場合としての対応についてのアドバイスもありました。なかなかできないことかもしれませんが、審査をしてくれたことへのお礼状を出す、通らなかった理由をたずねてみる、せっかく作成した申請書を無駄にしないように、別の助成元を探す、審査に通った他の案件と比較チェックして、通らなかった理由を考えて、次につなげる。など、審査が通らなかったことをマイナスにとらえるのではなく、次のステップにつなげるというとらえ方が素晴らしいと思いました。
最後に参加者からの質問を受け、具体的な案件に対して、丁寧に答えてくださる講師の姿勢が印象的でした。