【市民活動専門講座9】市民活動団体のためのファンドレイジング(資金調達)入門講座 開催レポート
団体の活動を支え、広げるために、「ファンドレイジング」の考え方や手法を学ぶ「市民活動団体のためのファンドレイジング入門講座」を開催しました。講師には、ファンドレイジング・ラボ代表であり、豊富な経験を持つ徳永洋子さんをお招きました。
ファンドレイジングで本当に大切なポイントとは。
徳永さんは、ファンドレイジングとは単に資金を集める活動ではなく、地域・社会を変えるための重要な手法であることを強調。また、団体として「なぜ活動をしているのか」、「どのような課題があるのか」、「日々何をしているのか」活動目的や活動内容を伝えていくことがとても大切で、それを伝えるなかで、お金以外にも物品やボランティアの募集、署名や活動への賛同など、お金以外のリソースも同様に集めていくことが重要であるとの点が印象的でした。
その他、Techsoup JAPAN(各種ソフトウェアの寄贈・割引プログラムを実施)やPower of Usプログラム(支援者データベース「Salesforce」の寄贈・割引・サポートプログラム)など、NPOに対するソフトウェアの寄贈や割引プログラムについても学びました。これらのプログラムを活用することで、活動の効率化と、拡大が可能にとなります。
会員や助成金に関する重要な視点
また、寄付集めにおいては、寄付者の心に訴えかけるストーリーテリングの重要性、寄付者の信頼を得るための透明性、そして多様な寄付オプションを提供することが成功への鍵であることも共有されました。
会員こそがいちばんの支援者であることを解き、マズローの欲求5段階説を用いて、会員が団体の活動をどのように感じ、支持してくれるかの解説があり、人々が団体の活動に関わることで、自己実現や社会的な所属感を得られるという、重要な視点も紹介されました。助成金の活用では、助成金は消費ではなく「投資」と考え資産拡大を図ること、また、今後の財源計画を立てることや助成金の実績をどう生かすかを考えていることが大切との話もありました。
講座の終わりには、参加者の「すぐにやってみること」が共有され、質疑応答の時間も設けられ、参加者同士の経験やアイデアを共有する貴重な機会となりました。講座参加者からは、「具体例がわかりやすく、自分たちの活動に結びつけながらお話を伺えました」といった感想や、「考え方が整理できた」といった感想もあり、団体の活動を広げていくアイディアにあふれた時間となりました。