府中若者ミライ会議(2023年度)開催レポート
府中若者ミライ会議は、府中市が抱える実際の課題を、若者世代がグループワークを通じて施策を考えるワークショップです。まちの課題を解決するプロセスを通じて、暮らしている地域への理解を深め、今後の地域活動に関わるきっかけづくりにもなるイベントとなりました。
今回扱った重要なテーマは、(1)「府中市の公園運営」に関する課題と、(2)「デートDV(デート時のドメスティックバイオレンス)問題の普及啓発」に関する課題です。
日程は2日間とやや長めのワークショップでしたが、真剣に、そして和やかな雰囲気でグループワークを進めていました。
事前説明会
ワークショップを翌週に控えた2月2日。事前に参加者の方に集まっていただき、説明会を開催しました。
自己紹介をして仲を深めたり、実際に府中市でテーマに関わる事業を担当している都市整備部公園緑地課と市民協働推進部多様性社会推進課の職員の方々から課題説明をしたりしました。
課題の概要を理解した後は、ワークショップ当日までに完成させる宿題シートにも取り組み、現場で働く市の職員の方々やプラッツ職員と会話しながら現状分析を行いました。
地域で愛される公園となるには
課題:苦情対応に市職員の多くの時間が割かれている
「地域で愛される公園となるには」をテーマに掲げ2日間の会議を行ったこちらのチーム。1日目の午前は実際に近くの公園2つを周りアイスブレイクも兼ねた現地調査を行いました。それからは課題をひたすら出していく作業でした。
市民が公園を利用するにあたって市への苦情や要望、利用ルールの必要性などを話し合いました。話し合いがとまればシミュレーションゲームをし、柔軟に課題を見つけていました。「禁止事項が多すぎる看板」「利用者間トラブルの板挟みに市がなってしまっている現状」が課題とわかりました。
2日目は出た課題にひとりひとりが向き合い市の職員の方との壁打ちも重ね解決策を全員で出すことができました。具体的な施策と看板の簡易的な新しいデザインなども提案でき、充実したグループワークとなりました。
学生メンター:工藤 響
デートDV~被害者にも、加害者にもならない~
課題:デートDVを知らない人や相談できない人が多い
「高校生・大学生へのデートDVの啓発」というテーマに取り組みました。1日目は各自で取り組んだ事前課題を基に、デートDVにおけるシーンを時系列で定め、課題を細分化しました。
2日目は現在府中市で取り組まれている事例を他の施設や自治体と比較しつつ、課題に対する解決策の提案を行いました。デートDVは境界が曖昧で、課題や解決策を考える度に行き詰ったり同じ話題で堂々巡りになって辛い時もありましたが、メンバーのお2人は最後まで集中力を切らさずに向き合いました。
市の職員の方に何度も壁打ちのお時間を頂き、テーマから離れていないか、市として提案できそうな施策かを確認しました。最終的な提案内容も、密に議論を重ねたおかげもあり、HPの改修といった具体的な案から、VR制作といった案まで多様なアイディアを提案をすることができました。
学生メンター:大谷 恭平
最終発表会
この2日間の集中ワークショップのクライマックスに、参加した二つのグループが市の関係者の前で、熱心に練り上げた解決策をプレゼンしました。
各チームは、この短期間で出し合ったアイデアをどう実現可能な形に落とし込み、さらに聴衆に響くよう伝えるか、という課題にも挑戦しながらプレゼンテーションの準備を進めていました。
会場では、課題を提示した市の担当者に合わせ、地域で活動する団体の方も参加し、緊張感に包まれつつも、各チームとも堂々とアイデアを発表することが出来ました。プレゼン終了後は、提案内容について、どのように現場で活かせるか、具体的なディスカッションも行われ充実した発表時間となりました。
学生からは「地域の課題をより身近に感じることが出来ました。」といった感想や、「自身が担当したテーマ以外にも府中市が抱える課題を自発的に調べるきっかけになりました。」「市の担当者の方の声を聞くことは滅多にない貴重な機会で、なおかつフィードバックをいただけたということが1番大きな経験でした。」といった感想も共有されました。
このワークショップでは、日々暮らす地域の課題を理解し、それに対する解決策を見つけだす中で、自分の考えを形にして、そのアイディアを効果的に伝える力を身につけることが出来ました。参加者の皆さんには、このワークショップで磨いたスキルをこれからも活かしていただき、新しい視点を持ちながら、府中のまちで新たな取り組みを始めていただけることを期待しています。今後も皆さんの活躍を応援しています!