入門講座「府中トコロジスト養成講座」イベントレポート(3)
第3回の目的は、視点を変えて様々な角度からフィールドを見る練習。前回は大國魂神社の敷地内を歩きましたが、今度はその外周を歩き、同じ場所を別の角度から見る体験をします。
今回は特に、普段あまり行くことのないエリアを歩くということで、
・地図を見ながら現在地を確認する
・発見した場所とともに、どんなところに興味を持ったのかも地図に記録するといった観察記録のポイントも実践していきます。
※観察後観察の中で撮影した写真の共有をしました。
※妙光院には事前に許可をとって活動しました。
観察記録術」フィールドワーク実践 ~大國魂神社を歩く(2)
角度を変えて見る
第3回の目的は、視点を変えて様々な角度からフィールドを見る練習。前回は大國魂神社の敷地内を歩きましたが、今度はその外周を歩き、同じ場所を別の角度から見る体験をします。
今回は特に、普段あまり行くことのないエリアを歩くということで、
・地図を見ながら現在地を確認する
・発見した場所とともに、どんなところに興味を持ったのかも地図に記録する
といった観察記録のポイントも実践していきます。
大國魂神社に着くと入口を向かって左に通過し、坂下の妙光院を目指してゆっくりと歩いていきます。
神社の外周~妙光院を散策
この日も土曜日ということで、大國魂神社は頻繁に参拝客が出入りする見慣れた光景でした。しかしその外側にあるのは、樹の葉がすれる風の音だけが聞こえるような静けさと、知らない道。
それだけでも、普段はにぎやかな大國魂神社の別の一面に出会えたような気持ちになります。
箱田さんの解説を聴きながら外周に沿って進んでいると、だんだんと道幅が人ひとり通れるくらいに細くなっていきます。さらに“地獄坂”と名のついた道を下っていくと突然、坂の下に妙光院の墓地が見えました。階段を下りてお寺の境内に入ると、ここでグループに分かれ自由に散策を始めます。
実は面白い、府中の地形
散策中に見つけた境内の用水路にも、トコロジスト目線の種がありました。
用水路と多摩川との高低差から、かつてその一帯にあった田畑や集落との位置関係について考察します。
その中で箱田さんから「府中は東西につづく崖が特徴的な、とても面白い地形。それを上手く利用して線路がのびていたり、人々の暮らしが発展していったりしたことが見てとれる」という説明がありました。
崖の高低差を活かした府中の成り立ちに思いをめぐらせ、「地形」という大きな括りで見る新しい視点を教わりました。
「散歩は知的」
前回よりもはじめから積極的に“見つけに行く”姿勢をみせる受講生のみなさん。周辺の植物をじっくり観察したり、「ここは元々何だったのか」と色々に想像したりしながら、発見を重ねていきました。
フィールドワークを終えてプラッツ会議室に戻ると、それらの“収穫”を発表し合いし合います。石組みに注目した人や、地形や用水路から集落・お寺の役割まで深く考察する人など、今回も様々な視点の共有が相次ぎました。
そんな受講者の視点報告をうけて、「散歩は知的なんです」という箱田さんの印象的な言葉がありました。
「目に入ってくる情報は、それが情報だと思わなければ素通りしてしまう。よく知っているはずの住まいの地域も、視点を変えて見ると“不思議”はたくさんある。ぜひ地図をお供に歩いてみましょう」と箱田さん。トコロジスト目線のコツをまたひとつ、わたしたちに伝授してくれました。
(市民ライター 伊藤薫)