プラッツ情報紙kokoiko第38号2026.10.1
クリスマスの夜、もしもプレゼントを持ったサンタがおうちに来たら......。
子どもたちのそんな夢を叶えているのが、認定NPO 法人チャリティーサンタ。
「サンタに扮したボランティアが依頼のあった家庭へ訪問し、その際に受け取るチャリティー金をもとに、困窮家庭の子どもたちにもプレゼントを届ける」という活動を二十年近く続けています。
クリスマスや誕生日など、外からは見えづらい家庭内行事の体験格差。どんな環境の子どもにも「愛された記憶」を贈るため、全国 40 以上の支部がそれぞれの地域で活動中です。今年は府中支部も発足し、年末に向けて準備を進めています。
サンタとして実際に訪問する役割だけでなく、広報や運営に関わったり、寄付や募金をしたり。自分にあった参加の仕方を選ぶことができます。
おヒゲがなくても、赤い服を来ていなくても。
自分自身が子どものころに、愛された記憶があってもなくても。
このまちの誰もが、誰かにとってのサンタになれる。
どこかの子どもを笑顔にしたい。大人のそんな夢を、叶えることができるのです。
このまちの誰もが、 誰かにとってのサンタ
誰かの幸せを、次の誰かへ。

認定NPO法人チャリティーサンタ府中支部
北村 昇大さん
クリスマスイブにボランティアがサンタクロースになって、子どもたちのもとへプレゼントを届ける「チャリティーサンタ」。2026年、その府中支部が発足しました。立ち上げの中心となり、運営メンバーとして携わる北村昇大さんに、活動への想いをうかがいます。
幸せをつなぐ活動
チャリティーサンタの活動はプレゼントを届けて終わりではありません。そのご家庭からいただいたチャリティー金は、別の家庭への支援などに活用されます。誰かの幸せが次の誰かに、さらに多くの人の幸せにつながるように。そんな願いを込めて、クリスマス以外にもさまざまな活動へとひろがっています。
子どもたちは大人になったとき、プレゼントをもらった場面をはっきりとは憶えていないかもしれません。でも、「自分のためにこんなことをしてくれた」という思いは、きっと心のどこかに残っていてくれる。その経験が、次の世代や周りの人へのやさしさにもつながっていくのかなと思います。
チャリティーサンタでは、子どもたちが大きくなってから読んでもらう手紙も用意しています。「あのときはお家の人が呼んでくれたから、僕たちサンタが君のところへ行ったんだよ」「君がいたから、ほかの子にも贈り物ができたんだよ」
——子どもだった自分への大人たちの想いを、大人になってから受け取ってもらう。それでいつかまた、この活動の輪に加わってくれたらうれしいですね。

チャリティーサンタ応募特設HP
※2026年度の情報は、2026年10月23日に公開開始
イブの日に咲く笑顔
僕がチャリティーサンタに出会ったのは学生時代。卒業後はいったん活動を離れましたが、東京への引っ越しを機に北東京支部に所属し、これまで5年ほど活動してきました。
サンタとして子どもたちのお家を訪ねることもあれば、運営側としてボランティアさんへの講習会を担当することもあります。活動の理念や心構えを伝えたり、サンタとしての立ち居振る舞いを一緒に練習したりして、みなさんを送り出すのも僕ら運営の役目です。
いざ迎えたイブ当日は、不安でいっぱいの様子で出発していく方がほとんど。でも、帰ってくる頃にはすっかり自信がついたホクホク顔で、歩き方まで堂々として(笑)、立派なサンタさんになっているんです。子どもたちの笑顔に出会って、自分自身も幸せそうな表情で帰ってくる。その姿を見るのが僕は大好きで、一番の喜びを感じる瞬間です。

サンタのポーズをとる、チャリティーサンタ府中支部の皆さん
サンタが府中にやってくる
チャリティーサンタの合言葉は「あなたも誰かのサンタクロース」。僕も大好きな言葉です。「誰かのために何かしたい」と思っていても、はじめは意外と勇気がいりますよね。チャリティーサンタには、本屋さんで買った本をそのまま寄付する「ブックサンタ」のように、気軽に参加できる取り組みもあります。サンタが訪問したお家の子が、翌年はお家の人と一緒に本を寄付してくれたという話も聞きました。子どもでも大人でも、誰でも誰かのサンタになれる。それがこの活動のすてきなところです。
クリスマスに活動していると、身近な人やお子さんたちの顔が自然と浮かぶんです。府中で暮らし、たくさんのつながりをいただく中で生まれた「地元の子どもたちのために何かしたい」という思いから、仲間と一緒に府中支部を立ち上げました。
「人にきっかけを提供すること」は僕自身の人生のテーマでもあります。
これからは地域ならではのネットワークをつくって、市内の団体や企業とも連携させていただきたいと考えています。活動を通して、誰もが気軽に社会貢献に参加できて、みんなが幸せな気持ちになれるような流れを、この府中でつくっていきたいですね。
この冬は府中支部にとって初めてのクリスマス。ボランティアさんたちはプラッツで身支度を整えサンタになって、イブのまちへと出発します。
取材・文:kokoikoライター 伊藤 薫
――「パパじゃないサンタ」がくれた、忘れられないクリスマス ――

高橋なるみさん
「子どもながらに『パパじゃないな』と思いました」
現在 20 歳の高橋さんはそう笑顔で振り返る。忘れられないクリスマスの思い出は小学2年生のクリスマスイブ。自宅にやってきたサンタクロースは白いひげで口元こそ隠れていたものの、目元を見ると少し日焼けした若い男性だった。「パパではないけれど、パパが近所の大学生にでもお願いしたんだろうと思っていました」
実は高橋さんは5歳の頃「サンタの正体はパパ」だと気づいていた。クリスマスイブの夜に体調を崩してしまい、慌てて看病してくれた父親が洗面台に脱いだサンタの衣装を見つけてしまったのだ。それ以来、サンタの正体は知っていた。それでもこの夜、自宅に現れた「パパではないサンタ」に対しては「気づかないふりをしてこの時間を楽しもう」と幼いながらに考えたという。
この夜のサンタはプレゼントを渡すだけではなかった。当時、勉強に励んでいた高橋さんに「勉強を頑張っているね」と優しく声をかけてくれた。「プレゼントをもらえたことはもちろんですが、自分の頑張りを褒めてもらったことがとてもうれしかったです」
「勉強を頑張っているね」というサンタの一言は高橋さんの心に深く残った。プレゼントを届けてくれる存在というだけでなく、自分の努力を見守り応援してくれる存在として心に刻まれたからだ。
そして、あの日のサンタが実はチャリティーサンタのボランティアだっことを知ったのは今回のインタビューの依頼を受けたときだったという。 高橋さんの父親は市民活動センターの職員。父親がチャリティーサンタを呼んだと知り「どこまでも仕事の人なんだなあ」と思ったという。日頃から市民活動や社会貢献に関わる仕事をしている父親らしいクリスマスのプレゼントだった。
「ボランティアでサンタをするなんて発想はなかったので驚きました。子どもたちのために時間を使ってくださるなんて、本当に素敵な活動だと思います」

2013年12月24日、高橋家にて(写真提供:高橋さん)
高橋さんへの取材を通して、私自身クリスマスは大人が子どもの喜ぶ顔が見たくて準備をする日だと思っていた、その考えが少し変わった。サンタクロースの正体に気づきながらも「パパがせっかく用意してくれたんだから」と、その時間を大切にしようとした幼い高橋さん。子どもは大人が思う以上に周囲をよく見ていて、大人の思いを受け止めながらその幸せな時間を一緒につくってくれているのだと気づかされた。
プレゼントを届けるチャリティーサンタの活動もまた、そんな親子の優しい時間をそっと支えている。これからもクリスマスが子どもも大人もお互いを思いやり、幸せな気持ちを分かち合える一日であり続けてほしいと願う。
取材・文:kokoikoライター 駒ヶ嶺 久美
"kokoikoライター いちおし情報” やさしさがめぐる、古民家カフェ「coo」

大きな窓からキャンパスの緑が見える、明るく開放的な店内
店主の水上結さんは、障がいのある人たちの支援に携わりながら、「いつかカフェを開きたい」という思いを持ち続けていました。大家さんとのご縁に恵まれ、cooをオープンしました。店名の「coo」は、鳩の鳴き声を表す英語に由来しています。
笑顔が印象的な水上さん。そのやわらかな雰囲気の奥には、「誰もが気軽に立ち寄れる場所をつくりたい」という確かな思いが感じられます。子どもが宿題をしたり、友だち同士で語り合ったり、大人が来て一人で本を読んだり。それぞれが思い思いの時間を過ごせる場所を目指しています。店内では、絵画の展示のほか、鳥見ツアーやテーブルゲームなどのイベントも開催されています。地域の「やってみたい!」が実現する場所です。
「子どもたちにジュースをごちそうしたい」。そんな常連客のことばから生まれたのが、cooオリジナルの「ことりのおやつ」という取り組みです。来店者がおやつ代やジュース代を先払いすると、後から訪れた子どもたちが無料で楽しむことができます。

左:店主の水上 結さん
右:交換文庫や小上がりもあります
また、cooは全国に広がる「フードリボンプロジェクト」にも参加しています。来店者が子どもたちへの食事代としてフードリボンを購入すると、子どもたちは温かい食事を受け取ることができます。どちらも、お店を介して地域の大人たちの「元気に育ってほしい」という思いを、子どもたちへ届ける仕組みです。水上さんは、おやつや食事を受け取る子どもたちに、大人のやさしさへ「ありがとう」と感謝する気持ちも大切に伝えています。
水上さんは、今来ている子どもたちが大人になった時、「子どものころからずっとcooがあるよね」と言ってもらえるように、長く続けていきたいと考えています。この場所で受け取ったやさしさが、いつか誰かへの思いやりとして巡っていくことを、cooとともにそっと見守っていきたい。そんな願いが伝わってきました。
また、cooは全国に広がる「フードリボンプロジェクト」にも参加しています。来店者が子どもたちへの食事代としてフードリボンを購入すると、子どもたちは温かい食事を受け取ることができます。どちらも、お店を介して地域の大人たちの「元気に育ってほしい」という思いを、子どもたちへ届ける仕組みです。水上さんは、おやつや食事を受け取る子どもたちに、大人のやさしさへ「ありがとう」と感謝する気持ちも大切に伝えています。
水上さんは、今来ている子どもたちが大人になった時、「子どものころからずっとcooがあるよね」と言ってもらえるように、長く続けていきたいと考えています。この場所で受け取ったやさしさが、いつか誰かへの思いやりとして巡っていくことを、cooとともにそっと見守っていきたい。そんな願いが伝わってきました。
取材・文:kokoikoライター M.Hayashi

左:絵柄がかわいらしい「ことりのおやつ」チケットと「フードリボン」
右:子どもたちから寄せられた感謝のメッセージ
coo
住所:府中市白糸台1-12-5
TEL:042-306-8438
※不定休
団体登録しませんか?

団体登録情報はこちらから
※詳細は市民活動ポータルサイト「プラnet」をご覧ください。
プラッツに市民活動団体登録をすると、団体活動スペースの予約利用や印刷室、各種貸出機材の活用、さらにWebやSNS等での情報発信、各種イベントへの出展など、活動を広げるチャンスがたくさんあります。
府中を拠点に、誰もが住みやすい地域や社会のために団体活動を展開している皆さまのご登録、お待ちしています。
プラnet | 府中市市民活動ポータル (fuchu-planet.jp)
添付ファイル
ご利用になるには、Adobe社 Acrobat Reader 4.0以降のバージョンが必要です。Acrobat Reader をお持ちでない方は、Adobe社のホームページで無償配布されていますので、こちらから(Adobe社のホームページを新しいウィンドウで開きます)ダウンロードし、説明に従ってインストールしてください。


