プラッツ情報紙kokoiko第33号2025.7.1
ラジオ体操が創設されたのは1928(昭和3)年。「いつでも、どこでも、だれでも」できる体操として親しまれ、もうすぐ100周年を迎えます。“あの音楽”が聞こえると自然に体が動き出す......。
世代を問わず、そんな人が多いのではないでしょうか。
1930年、夏休み中の子どもたちのために、神田万世橋警察署・児童係の面高巡査が町内会の人たちと一緒に「早起きラジオ体操会」を始めたそうです。これがご近所同士で集まってラジオ体操を行う会の始まりだとか。その後、この取組みは全国に広まり、戦中・戦後を経て現在も各地で行われています。
「府中公園ラジオ体操会」もそんな会のひとつ。毎朝、府中公園に集まってラジオ体操を行っています。ひとりでも、家の中でもできるラジオ体操ですが、みんなで同じ時間、同じ場所に集まって体操することにはどんな魅力があるのでしょうか。新しい一日が始まったばかりの澄んだ空気の中、代表の前田さんとメンバーの皆さんにお話を伺いました。
ふと交わす笑顔 朝の空気につつまれて
1930年、夏休み中の子どもたちのために、神田万世橋警察署・児童係の面高巡査が町内会の人たちと一緒に「早起きラジオ体操会」を始めたそうです。これがご近所同士で集まってラジオ体操を行う会の始まりだとか。その後、この取組みは全国に広まり、戦中・戦後を経て現在も各地で行われています。
「府中公園ラジオ体操会」もそんな会のひとつ。毎朝、府中公園に集まってラジオ体操を行っています。ひとりでも、家の中でもできるラジオ体操ですが、みんなで同じ時間、同じ場所に集まって体操することにはどんな魅力があるのでしょうか。新しい一日が始まったばかりの澄んだ空気の中、代表の前田さんとメンバーの皆さんにお話を伺いました。
朝の空気に、季節を感じて
「府中公園ラジオ体操会」代表・前田 允亨(まえだ まさゆき)さん
府中公園でのラジオ体操会を始めてからおよそ10年。会を続ける中で、代表の前田さんが大切にしている想いとは何でしょうか?
朝の空をひとりじめ
毎朝6時25分に府中公園へ集まり、CD やラジオにあわせて「みんなの体操」「ラジオ体操第1」「ラジオ体操第2」を行っています。同じ時間でも季節によってまったく景色が違っていて、それを肌で感じることができるんです。真っ赤な朝日を全身に浴びたり、満開の桜や紅葉にみんなで歓声をあげたり。上を向く運動をすると天気のいい日には真っ青な空が見えてね、もう空一面を独占!......という気持ちになります。
ラジオ体操は6時40分に終わるので、すぐに帰る人、もう少し体操をしていく人、何人かで連れだってウォーキングに行く人などいろいろです。本当に美味しいですよ、身体を動かしたあとの朝ごはんは。
正しい動きを学ぶ
定年後にラジオ体操の普及啓発活動事業を行っている協会へ再就職したことが大きなきっかけで、ラジオ体操を本格的に始めました。協会で働く中でラジオ体操が健康に及ぼす好影響がよく理解できたので、上司からのすすめもあり1級ラジオ体操指導士の資格を取りました。資格試験には実技と筆記両方があって、ラジオ体操の理論を理解しているか・技能や指導力が優れているか・ラジオ体操の普及活動に積極的に取り組もうとしているかなどが問われます。ひとつひとつの運動にどんな意味があるのかをテキストで確認し、正しいラジオ体操とはこういうものなのだということが身に付きました。
その後は「NPO法人全国ラジオ体操連盟」でも働かせていただき、ラジオ体操講師の依頼があったときの調整などを行っていました。日本全国の主要都市で開催される講習会へ、講師やアシスタントと一緒に行ってイベントの進行をするんです。注意するべきポイントの伝え方などを、一流の講師から間近に学べたことはとてもありがたい経験でした。
ラジオ体操会で大切にしていること
「府中公園ラジオ体操会」を立ち上げたのは2016年です。友人と一緒に、府中公園周辺の町内会長に挨拶をして回覧版をまわしてもらったり、戸建てやマンションのポストにチラシを入れたりして会員を募りました。最初は7~8人でしたが年に数人ずつ増えていって、9年目の今では 40人近いメンバーがいます。
日曜・祝日・雨天は中止、それ以外は毎日。2024年度は261日開催しました。参加するのは一日だいたい 20人~30人、出席も取らないし休むときにも連絡する必要はないです。会費もない。
入会希望者には、500円~1000円くらい入会時に寄付してもらい、そのお金でラジオの電池を買っています。
私はね、みんな公園に来るだけですごい!...と思っているんです。15分間の体操のために早起きして、顔を洗って服を着替えて歩いて来る。おはようって挨拶して、振り込め詐欺電話の情報交換をしたりしてね。わざわざ誰かと会う約束をして話すほどのことじゃないけれど、顔を合わせたからついでにおしゃべりするようなことってあるでしょう。たわいのない会話だけれど、それが大事。
どういうふうに身体を動かせばいいか、ワンポイントアドバイスとしてみんなの前でやってみせることはあります。でもね、個別に「あなたもっとここをこうして」なんかは言わない。そんなことをうるさく言われたら楽しくないでしょ。いつか自分で気が付いて直すかもしれないし、別に直さなくてもいいんです。それよりもっと大切なことがあるから。
メンバーはみんな明るいし、雰囲気がとてもいいですよ。私はいい仲間にめぐまれているなあと日々感謝しています。年を取るごとに身体に不具合が出て落ち込むこともあるけれど、朝公園に行けば元気になれますね。みんなで集まってラジオ体操をして、終わって帰るときになんとなく気持ちがすっきりする。それで充分。それでいいんです。
取材・文:市民活動センター プラッツ 神名川佳枝
ラジオ体操に参加して ――朝の体操と、つながりのある時間――
4月19日と24日、「府中公園ラジオ体操会」に参加してきました。今回は取材としての参加でしたが、普段から運動不足を感じている私にとってちょうど良い機会でもありました。
朝5時50分自宅を出発。会場までは自転車で25分ほど。まだ薄暗く少し肌寒さもありましたが、ひんやりとした空気が心地よくてすぐに気分が引き締まりました。公園に到着するとそこには緑あふれる景色が広がっていて、鳥のさえずりが静かに響いていました。
6時20分ごろには参加者が集まりはじめ、「おはようございます!」とあちこちで明るい挨拶の声が交わされていました。両日ともおよそ30人が参加していて、活気が感じられました。
体操は6時25分から始まります。「みんなの体操」で体をほぐし、「ラジオ体操第1」「ラジオ体操第2」と続きます。動きはシンプルですが、意識して丁寧に行うと全身をしっかり使うことになり、翌日は軽い筋肉痛に。思っていた以上に効果のある運動だと実感しました。
体操後、参加者の皆さんに話を聞いてみました。参加のきっかけとして多かったのは「友達に誘われて」。他にも「コロナ前は遠くばかり出かけていたが、コロナ禍を機に地域のつながりを大事にしたくてここに来るようになった」という方もいて、それぞれに思いがあることが伝わってきました。
何年も続けている方が多く、「仲間がいるから」「人とのつながりが励みになる」と話してくださる方が多かったです。ある参加者は「体調を崩した時期もあったが、またこの場所に戻りたいという思いが、回復の力になった」と話してくれました。
「朝6時に雨が降っていなければ体操はあるので、毎朝空を見上げるのが習慣」と話す方の笑顔が印象に残っています。
体操を終えた後は体も心もすっきりし、清々しい一日のスタートを切ることができました。
健康だけでなく、人と人とのつながりも育まれる大切な朝のひとときでした。
取材・文:市民ライター 駒ヶ嶺 久美
市民ライター いちおし情報 "季節を五感であじわう〜「ことりの畑」〜 ことりの畑(収穫型直売所)" 西野公裕さん
近所のスーパーの裏手に、私のお気に入りの風景があります。
2年ほど前に出会って以来、季節によって表情を変えるその畑を訪れるのが楽しみになりました。色とりどりの花や青々とした野菜が、まるでにこにこ笑っているかのように元気いっぱいに育っています。
この畑の名前は「ことりの畑」。収穫型直売所として運営されており、訪れた人が自分で野菜を収穫したり、注文後に目の前で収穫してもらったりするスタイルです。管理しているのは、西野公裕さん。曾祖父の代から続く畑を引き継ぎました。
「来てくれる人が、新鮮なうちに野菜を味わえるように」と話す西野さん。畑は全面露地栽培で、ビニールハウスは使っていません。そのぶん天候の影響を受けやすいですが、「季節に合った野菜を一番おいしいかたちで育てられるのが魅力」といいます。例えばトマト。大玉や中玉、ミニトマトと、それぞれ同じトマトでもいろいろな品種を植えているので食べ比べができます。特にスーパーでよく見かける甘い品種だけではなく、「ことりの畑」には酸味のある昔ながらのトマトも育てられていて、露地栽培ならではの風味が楽しめます。
「野菜と親しみ楽しんでほしい」という思いから、西野さんが考えた旬の野菜にまつわる季節限定のイベントがたくさんあります。
なかでも「じぶん畑」というイベントでは、1区画を借りて野菜作りに挑戦できます。春夏はじゃがいも、秋冬はキャベツや白菜、大根、ブロッコリーなど。種まきから収穫までを自分で行うもよし、管理はお任せして成長を見守るだけでも大丈夫です。「興味はあっても、時間や知識がなくて野菜作りに踏み出せない。そんな人のハードルを下げたかったんです」と西野さん。訪れる人の暮らしに合わせた「畑とのかかわり方」が用意されていることも、この場所の大きな魅力です。
取材中は営業時間外にもかかわらず、下校中に手を振る中学生や花の育て方を相談する年配の方、おしゃべりに来る小学生など、みんなふらっと立ち寄って帰っていきました。これはいつもの風景だそう。
「来てくれる人に『わたしの畑』って思ってほしいんですよね。気軽に来られて、野菜やお花が身近にある。こういうふうに育って、こうやって採るんだな、と知ってもらう。そして何より『おいしい』って喜んでもらえるのが一番うれしいですね」と西野さんは笑顔で語ります。
取材後は春の旬野菜、スナップエンドウを収穫させていただきました。採りごろの見わけ方や切り方を教えてもらいながら収穫。最初はこわごわと手を伸ばしていた私も、すぐに夢中になってしまいました。
持ち帰ってすぐに調理。シャキシャキとした歯ごたえに加えて驚くほど甘く、これまで味わったことのないおいしさでした。まるで春のおひさまの味がするようで、こころまでぽかぽかと温まりました。
取材・文:市民ライター 亀谷 のりこ
お日様を浴びて野菜も花もすくすく育っています。
靴が汚れないようにシートが敷いてあるので、買い物感覚で来ても大丈夫です。
青空に向かって伸びる、スナップエンドウの花芽。
ちょうちょも遊びに来る季節のお花畑では、お花摘みやオリジナルブーケづくりができます。
奥はじゃがいもの「じぶん畑」。
お申し込み頂いた方や保育園の子どもたちが植えました。収穫が楽しみですね。
【ことりの畑】
場所: 府中市若松町2丁目 サミットストア府中 若松町店の裏
販売日やイベント詳細については、畑入口の看板や二次元コードからinstagram(インスタグラム)をご覧ください。
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プラnet | 府中市市民活動ポータル (fuchu-planet.jp)
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