講師育成派遣事業・i-ze（いーぜ）「想いを書きとめる代筆セミナー」10/11、10/18開催報告

高齢者の思い出や今の気持ちを聞き、ノートや葉書に代筆するボランティアを、i-ze（いーぜ）代表・山根さんは長年続けています。
心からの笑顔で相手の心に寄り添い、お話を聞いてキーワードを書きとめるコツは何でしょうか？
代筆ボランティアを始めたい人を対象とし、全2回の講座でその基礎を学びました。
☆講師のi-ze（いーぜ）は、「プラッツ登録講師」として出張講座を承ります。

1日目・「信頼」を得る笑顔

笑顔の体験、教えてください！

講師の山根さんは府中市内の花屋を定年退職後、非常勤で働きながら地域活動にも取り組んできました。ドリームマップ🄬作り、花育ワークショップ、イエナプラン教育の勉強会、地域ラジオ番組のパーソナリティ、外国人へのおもてなし実行委員会、介護施設での書道会など、多岐にわたる活動を行っています。
長年続けている活動のひとつが「高齢者の話を聴き、短い文章にまとめて葉書や色紙などに書く」というボランティア。文字がきれいということよりも、相手の気持ちを承認し共感することが大切です。

今回のセミナーでは、まずその練習として参加者同士で二人一組になり「自分が笑顔になった体験」または「誰かの笑顔を引き出した体験」を交互に話しました。聞き手が適切なあいづち・うなずきを意識して行い、相手の話に関心をもち質問することで、思いをどんどん引き出すことができます。話の中で出てきたキーワードは書きとめておき、あとで文章にして清書します。

自分の話を真剣に聞いてくれるのは誰にとっても嬉しいこと。それぞれが話し終わったあとは、キーワードを参考にしながらパートナーの笑顔体験を「他者紹介」として他の参加者に紹介しました。

「笑顔のスイッチ」を見つけましょう

ふっと笑顔になるのは、どんな時でしょうか？
他者紹介のあとは、五感で何かを感じた時、自然に笑顔がこぼれる……そんな「笑顔のスイッチ」をみんなで出し合いノートに記録しました。
可愛い犬を見かけた時、子どもの笑い声が聞こえた時、焼きたてのパンの匂いをかいだ時。
柔らかい毛布に触れた時、美味しいプリンを食べた時、さわやかな秋風を感じた時。
次々と出てくる、何十個ものスイッチ。何気ない日常の中にも、笑顔のタネはたくさんひそんでいます。
高齢者と話す時にも、相手のスイッチを見つけることが大切。それがキーワードとなり、話がふくらんでいきます。

 

笑顔あふれる2時間半のセミナーも、あっという間に終了時間となりました。一週間後の第2回目までに「（家族など）身近な人へ、笑顔の体験についてインタビューをすること」「今日のセミナーで書きとめた言葉を、ノートに清書してみること」が宿題として出されます。
初対面同士でも、互いの話を聞き合ったことですっかり打ち解けた様子の参加者の皆さん。次週が楽しみです！

2日目・代筆ボランティアへの想い

高齢者施設でのボランティアについて

まずは宿題の、「身近な人へ、笑顔のヒーローインタビュー」の発表から。身近にいる人だからこそ、じっくりと1対1で相手の話を聞く機会は少ないかもしれませんね。「家族に意外な『笑顔のスイッチ』があって、びっくりしました！」という感想もありました。

 

次に、アビリティーズ・ケアネット株式会社のリハビリセンター長、江連（えずれ）さんから「高齢者施設とボランティアサポーターについて」をテーマにお話がありました。

江連さん「1回きりではなく、何度も同じ場所へ行くボランティアでは、時間をかけて相手との関係性を作ることができます。話しかけてもあまりしゃべらない高齢者にも、様子をみながら何度目かに声をかけると心を開いてくれることもあります。相手のペースに合わせ、焦らないことが大切です。
また、何でも聞き出すこと、何でも話すことが良いというわけではありません。守秘義務は必ず守り、信頼関係を築いていきましょう」

長年、高齢者施設や病院で勤務してきた江連さん。現場での実体験に基づいたお話に、参加者も真剣に聞き入っていました。

 

「共感しながら聴く」ということ

江連さんのお話のあと、第1回目とは違う人とペアになり、今までに学んだ「話を引き出すコツ」を意識しながら再びインタビューを行いました。

 

 

山根さんが代筆ボランティアを続けているのは、高齢者の人生体験とその時の想いを記録し、本人や家族の宝物にしてほしいという気持ちから。その想いに共感し、一緒に高齢者施設で代筆ボランティアをしてくれる人を募集中とのことです。今回ご参加いただいた皆さんからも、「もともと人の話を聞くことが好きで、今回のセミナーでさらに興味を持ったので、ボランティアに参加してみたい」という声が聞かれました。
また「相手の気持ちを承認し、共感しながら話を聴くことは、さまざまな状況においてとても大切なこと。今回、話を引き出す基礎を教えてもらったので、それらを日常生活や他の活動にも活かしていきたい」という方もいました。
自分も相手も笑顔になるための、話を聞きだすコツ。楽しく学べた2日間でした。

 

※「i－ze（いーぜ）」は、「プラッツ登録講師」として出張講座を承ります。
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