コミュニティカフェ開設連続講座「人が集まる居場所のつくり方」第7回「コミュニティカフェプランコンテスト」開催レポート
コミュニティカフェ開設連続講座「人が集まる居場所のつくり方」(全7回)
2019年12月22日に行われた第7回講座の報告です!
コミュニティカフェ開設連続講座「人が集まる居場所のつくり方」第7回開催レポート
2019年12月22日(日)、コミュニティカフェ開設連続講座「人が集まる居場所のつくり方」の第7回が開催されました。本講座(全7回)では、「居場所づくり」をテーマに、さまざまな分野の実践者を講師にお招きして、新しい「居場所」を立ち上げるための事業プランを作成していきました。
最終回である第7回は、「コミュニティカフェプランコンテスト」の公開プレゼン審査、および受講者の感想発表が、A・B・Cの3ブロックに分かれておこなわれました。
第7回テーマ: コミュニティカフェプランコンテスト
第7回概要
【開催日時】2019年12月22日(日) 13:15〜16:45
【開催場所】府中市市民活動センター プラッツ 6F 第3会議室
【開催内容】A・Cブロック:「受講者の感想発表プレゼンテーション」
Bブロック:「コミュニティカフェプランコンテスト」
(コンテスト参加対象条件)
府中市内でコミュニティカフェ・地域の居場所の開設を予定している方
(応募要項)
書類提出締め切り:12月15日(日)までにメール・FAXで送付またはプラッツ窓口まで提出(書類審査の結果は12月17日(火)までに通知)
応募書類について:以下の内容について、A4用紙4枚以内に記載し「事業計画書」として提出
事業名(店名)、地域(社会)の現状・課題、事業の目的・目指すもの・事業効果、活動場所、
事業内容・運営方法、収支計画、スケジュール(設立までの準備)
プレゼンテーション時にはPowerPointなどのソフトウェアが使用可能で、時間配分は「プレゼン7分→質疑応答5分」です。
(審査員)
昆布山良則さん(公益社団法人 長寿社会文化協会 全国コミュニティカフェ・ネットワーク 事務局)、
那須史子さん(あおばこどもの居場所 代表)、堀内龍文さん(税理士・堀内会計事務所 代表)、
田代(プラッツ職員)
最終回は、受講生の感想発表プレゼンテーションから
約2ヶ月間に渡る連続講座で最終回となる第7回は、まず受講生の感想発表プレゼンテーションがおこなわれました。各自7分の持ち時間を使っての自由形式での発表となり、プレゼンツールを利用する方も。発表後は質疑応答もありました。
●Iさん
「住み開き」の形のカフェに興味があり、子育て支援や文筆業の経験を活かして新しいコミュニティの可能性を探るために参加。事業計画として具体的に考えていくうち、カフェの形でなくてもいいのではと気づいた。「人とつながりたい」という本当の思いが浮かび上がってきた。
●Mさん
長年スタッフとして携わる不登校支援の分野で、以前に参加した創業塾の仲間と4月から事業をスタート予定。個人的な活動としては、20年前に始めた趣味の分野でのコミュニティ形成の経験が重要だったことが再認識できた。原点に戻るべきかもしれないと思い、好きなダンスの衣装作りや縫うことから何か始めたい。
●Kさん
ピアニストとして、コンサート活動を続けていく。文化的な催しを企画するなど、上質な文化を地域で提供できるような活動を盛り上げるため、コミュニティカフェや若い世代とも連携予定。いずれは、空き家となっている実家も活用したい。
コミュニティカフェプランコンテスト
コンテストには計4件のプランがエントリーされ、4名の出場者が「プレゼン7分→質疑応答5分」の発表をおこないました。審査の結果、不登校児の支援を目的とするMさんのカフェプラン「なおの家」が1位入賞となりました。各プランの概要をまとめてご紹介します。
●リモートワーク支援(Oさん・一般参加)
働き方改革や就業形態の多様化が求められる中、低賃金や孤立などのリスクを抱えがちなリモートワークやテレワークに従事する人たちの居場所として、不定期開催のカフェ(茶話会)を開催し、地域に人のつながりを生み出したい。
●民間学童(Wさん・一般参加)
主に「小1の壁」と呼ばれる学童保育の保育時間の不足を補う目的で、保護者や児童の力になりたい。サードプレイスとしての民間学童を開設し、教育支援もおこなっていく予定。
特色としては、習い事ではなく実体験を積ませることで、児童の成長を支援するサービスをめざす。具体的には、農業体験など地域の農業関係者の協力を得て進めたい。
●不登校支援カフェ(Mさん・受講生)
ご自身が不登校・ひきこもりを経験し、大人の理想と不登校児のニーズが異なることを感じていた。現在は大学で心理学を専攻しながら、資格取得をめざしている。並行してカフェ開設を進めるか、社会人経験を経てからがいいのか、迷っている点もあるが、周囲と相談しながら確実に進めたい。
不登校・ひきこもりの学生にとって、どんな場所が必要なのかを考慮して作っていく。とくに、ひとりで来店しても居心地よく過ごせるよう、仕切りなどの空間設定に工夫をこらしたい。
つながりができるカレー屋(Iさん・受講生)
中高生向けのスクールソーシャルワーカーの経験から、中高生を中心に幅広い世代に向けて、つながりを提供するためのコミュニティカフェを開設予定。
メニューは主にカレーを提供し、東南アジア系の住民のコミュニティとも連携するなど、地域の異文化理解にも貢献したい。
ふたたび、受講生の感想発表プレゼンテーション
講座を受講したさまざまな世代・立場の人たちが、それぞれの「居場所」について深く掘り下げて考察し、具体的なビジネスプランを作成してみた結果、たどり着いた現時点での思いや計画は? この連続講座で得た知識や体験を活かし、今後の活動にどうつなげていきたいかが伝わる、密度の濃い発表が続きました。
●Hさん
手打ちうどんを振る舞うカフェを開業したい。転校を繰り返して居場所がなかった経験から、自分が居てもいいと認めてもらえる場所が欲しかった。地域の武蔵野うどんをメインメニューにするべく、農家・駄菓子屋の協力も得て、うどん教室を開催する流れになっている。
●Jさん
定年後、パンとケーキ作りに目覚めてライセンスを取得。仙台市で、こども食堂などの活動をおこなう義兄の思いを大切にしながら、協力してコミュニティカフェを開設したい。高齢者の多い地域なので、その世代に向けた告知方法を活用して活動を広げていく予定。コンセプトや協力者などの下地作りは固まってきており、実現までは近い。
●Nさん
ケアマネージャーなどの福祉資格を持ち、自宅兼事務所で開業しているが、事務所から少し離れた場所に、障がい者向け作業所を開設予定。施設内には、一般の子育て世代や高齢者が利用できる空間も作りたい。一般へも障がいを持つ人たちへの理解を呼びかけ、お互い名前で呼び合える場にしていきたい、という思いが詰まっている。収支計画が細かく出ており、2年後の開設をめざす。
●受講生のアンケートより
Q. 今回の講座で特に印象に残っている回と、その理由
・府中の事例(1) kotocafe
「コミュニティカフェ運用の継続には安定した運営資金が必要。具体的にどう運営資金を稼ぎ出すのか参考になった」
・府中の事例(1) kotocafe、(4)FLAT STAND/武蔵野台商店、(5)たまりば/Posse
「具体的な事例は、事業の方向性を考えるのに役立ったと思います」
・第2回
「『団地内の店舗を使う』という、私にとっては新発想を聞けた」
・第4回、第6回
「金銭面の具体的なアドバイス、さらに考え方の筋道がクリアになったことは役立ちました」
・全ての回
「それぞれの運営方法を知ることができ、勉強になりました」
Q.今回の講座で学んだこと
「いよいよ具体的に動くきっかけができました。何人かの方々とお近づきになれたのが良かった」
「地域とのつながりをどのように作り、強力にしていくのかを学べた」
その他・ご意見
「地元の活動と地元以外の活動が組みになって紹介されていたのが興味深かったです」
「イメージを具体化するきっかけになり良かった。発表に向けた準備はもう少し時間を取って、詳しく進めていただけると嬉しい」