コミュニティカフェ開設連続講座「人が集まる居場所のつくり方」第6回開催レポート
コミュニティカフェ開設連続講座「人が集まる居場所のつくり方」(全7回)
2019年12月14日に行われた第6回講座の報告です!
コミュニティカフェ開設連続講座「人が集まる居場所のつくり方」第6回開催レポート
2019年12月14日(土)、コミュニティカフェ開設連続講座「人が集まる居場所のつくり方」の第6回が開催されました。本講座(全7回)では、「居場所づくり」をテーマに、さまざまな分野の実践者を講師にお招きして、新しい「居場所」を立ち上げるための事業プランを作成していきます。
第6回のテーマは「コミュニティカフェの経営に必要なもの(2)」です。法人と個人事業の違いや、法人設立に際しての注意点など、開業後の税金の収め方や契約についての基本を、ポイントを押さえて解説。後半は、事業計画・収支計画を実際に作成するワークショップもおこなわれました。
第6回テーマ: コミュニティカフェの経営に必要なもの(2)
第6回概要
【開催日時】2019年12月14日(土) 13:15〜16:45
【開催場所】府中市市民活動センター プラッツ 6F 第1会議室A
【講 師】堀内龍文さん(税理士・堀内会計事務所 代表)
【事例紹介】桑田厚子さん(コミュニティガーデンカフェ「きゅ庵」)
第6回の講師は、税理士の堀内龍文さんです。前々回も、コミュニティカフェ開設までの基本的な流れを、会計や収益などの「お金」にまつわるポイントを中心に講義してもらいました。
府中の事例紹介は、コミュニティガーデンカフェ「きゅ庵」の桑田厚子さんです。自宅の庭をリノベーションして、季節感のあるイベントや教室も開催しながら、春と秋だけオープンする予約制のガーデンカフェとして運営されています。性別や世代に関わらず、多くの人に愛されるコミュニティづくりの秘訣とは?
府中の事例紹介(6)コミュニティガーデンカフェ「きゅ庵」
府中の事例紹介の最終回は、府中市のコミュニティカフェ講座を受講して、ガーデンカフェをオープンした桑田厚子さんが登壇しました。50代に入って子育てが一段落してからの起業。時間的にも体力的にも余裕のある時期に、自宅で自分の強みを活かしながら、何かやってみたいとの思いがきっかけだったそうです。
開業にあたって心がけたポイントは2つ。まず、短期間で閉店してしまわないよう、「長く続けるにはどうするか?」を考え抜いてから始めました。また、ご近所で開催されている類似の企画(定期的な茶話会など)に対し、「独自性を出すにはどうするか?」も、差別化を図るために、しっかりと作戦を練ったとのこと。
後半は、ガーデンカフェの収益の推移や、自宅の改装にまつわるエピソード、これまでに開催された季節感あふれる多彩なイベントについてなど、詳しい紹介がありました。また、講座を修了してからカフェ開設までの流れや、助成金の利用法、人脈の作り方についても、具体的で参考となる談話が。質疑応答では、活発な質問が飛び交いました。
桑田さんの活動には、プラッツ開催の講座とも連携した実績があります。なかなか集客が難しいとされる男性シニア層へのアプローチが戦略的かつ効果的だった実例でした。
受講生のアンケートから
「自宅を使った身の丈サイズで、かつ場所(自然)の特徴を活かした運営方法がわかり、良かったです」
「自分の自宅を上手に使ってカフェを開く形が知れて良かった。憧れます」
「周囲に協力してもらう大切さを感じた。開業のハードルが下がった」
コミュニティカフェの経営に必要なもの(2)
前々回の講義「コミュニティカフェの経営に必要なもの(1)」では、事業計画の立て方やコミュニティカフェ開設のための準備段階について取り上げました。その続編となる今回は、開業後のカフェ運営に関する実践的な「お金」をめぐる内容を中心に、税理士の堀内さんより詳しい解説がありました。
個人事業主と法人の違いと、メリット・デメリット
コミュニティカフェの運営形態はさまざまですが、個人事業で始める人が多いという話題から始まり、法人で開業する場合にも複数のパターンがあることなど、法人化のメリットとデメリットについて、税金や社会保険などの側面から、具体的なアドバイスがありました。
創業時の各種手続き
コミュニティカフェは基本的には飲食業でもあるため、創業時に保健所に許可を求めなくてはなりません。そうした届出やカフェ開業にまつわる実際の手続きについて、重要なポイントを強調しながらの解説でした。また、賃貸契約時に注意すべき点など、店舗物件を借りる際に気をつけたいポイントも。
税金の納め方について
講義の後半は、カフェ開業後、いつから消費税を納める必要が出てくるか? など、カフェ経営の全般に渡って重要となる、税務の基礎知識について。税金の納め方や、収入と支出の細かな計算方法など、経営の初心者にもわかりやすいように、詳しい講義がありました。
日々の経理をできるだけ楽にする方法は? 申告した書類を、税務署はどのようにチェックしているか? 在庫管理や減価償却費など、年度をまたぐ処理で要注意なポイントは? この他にも、リースや融資の効果的な使い方や、複雑な税務の専門知識について。また、スタッフを雇用する際の注意事項についてなど、コミュニティカフェに特化した講義内容でした。
休憩後は、事業計画書を作成するワークショップがおこなわれました。個別に講師に質問したり、テーブルごとのメンバーで資金繰りなどの悩みを相談したり、他の人の意見も参考にしながら、計画を作成していきました。
最後に、講師からのまとめの談話として、開業資金と運転資金についてなど、開業の壁となりやすい部分についての解説と、参考となるコミュニティカフェの成功例の紹介もありました。
受講生のアンケートから
「たいへん実務的なお話で役立ちました。また、契約書をきちんと読む、申告の大切さなど、参考になりました」
「法人化と個人事業主の線引きなど、ためになるお話がたくさん伺えました」