コミュニティカフェ開設連続講座「人が集まる居場所のつくり方」第3回開催レポート
コミュニティカフェ開設連続講座「人が集まる居場所のつくり方」(全7回)
2019年11月16日に行われた第3回講座の報告です!
コミュニティカフェ開設連続講座「人が集まる居場所のつくり方」第3回開催レポート
2019年11月16日(土)、コミュニティカフェ開設連続講座「人が集まる居場所のつくり方」の第3回が開催されました。本講座(全7回)では、「居場所づくり」をテーマに、さまざまな分野の実践者を講師にお招きして、新しい「居場所」を立ち上げるための事業プランを作成していきます。
第3回のテーマは「多世代交流型『住み開きカフェ』」です。横浜市の「Cafeハートフル・ポート」の成功例から、住宅街の中にある「住み開きカフェ」運営のポイントについて学びます。
なお、最終日は、受講生以外の方も参加可能な「コミュニティカフェ プランコンテスト」が企画されています。
第3回テーマ:多世代交流型『住み開きカフェ』
第3回概要
【開催日時】2019年11月16日(土) 13:15〜16:45
【開催場所】府中市市民活動センター プラッツ 6F 第5会議室
【講 師】五味真紀さん(Cafeハートフル・ポート 店主)
【事例紹介】村山鑑恵 norieさん(よろずやカフェ・NPO法人府中市民活動支援センター 専務理事)
https://fuchu-c-a-s-center.jimdo.com/
第3回の講師は、横浜市旭区の「Cafeハートフル・ポート」店主の五味真紀さんです。自宅の空きスペースをリノベーションして、2014年に住み開きカフェをオープン。地域の人たちの交流の場として、多くのイベントも開催されています。
府中の事例紹介は、宮西町にあるコミュニティカフェ〜みんなの縁側〜「よろずやカフェ」の村山鑑恵さんから、多彩な活動内容をご紹介いただきました。
府中の事例紹介(3) 〜みんなの縁側〜「よろずやカフェ」
府中の事例紹介では、「よろずやカフェ」の村山さんが登壇。
(1)団体(NPO法人 府中市民活動支援センター)の概要、(2)カフェの活動内容の紹介、(3)団体の事業紹介の順で、詳しくご説明があり、開催予定のイベントも多数ご紹介されました。
「よろずやカフェ」は、NPOの事務所機能を兼ねており、市民のニーズに応えて課題解決につなげるための「中間支援」の活動を軸に、府中のまちづくりのお手伝いをしています。
団体名の「府中市民活動支援センター」が、プラッツの「府中市民活動センター」と似ていることも話題に上がりました。
受講生のアンケートから
「NPOとして幅広い連携をしており、それゆえの幅広い活動、とても参考になりました」
「中間支援をすることで、いろいろな有意義な取り組みができる事がわかった」
ハートフル・ポート流の運営方法 〜人の巻き込み方〜
休憩後は、講師の五味さんによる「多世代交流型『住み開きカフェ』」について。開店のきっかけから実際の運営方法まで、カフェの5周年記念に制作された動画(10分間)の紹介とともに、詳しくお話しいただきました。
(1) カフェにかける想い
カフェの店名「ハートフル・ポート」とは、”心温まる港”という意味。子育てを経て、「船出する子供たちが帰港できる場所に」という願いから命名されました。現在も、「地域の人たちの港でありたい」という想いで運営されているそうです。
(2) 住み開きカフェをつくるきっかけ
ちょうど2011年の東日本大震災の頃、五味さんは、同居していた義母の看取りを体験し、ご自身の「老い方」や「悔いのない人生」についても、深く考えるようになったそうです。
亡くなった義母の部屋を、家族みんなの手作業でリノベーションすることで、「Cafeハートフル・ポート」が誕生しました。
(3) 開業前に準備したことは?
カフェで展開中の事業のほとんどは、開店前に準備された「夢リスト」に書き出した項目を網羅している、とのこと。「つながりたい人・団体」をどんどん書き出してマップ化することで、地域資源の掘り起こしができます。
また、カフェの商品価値をどう設定するかが重要となります。顧客のニーズを知るためにも、自分自身が何を求めているか、いろいろなカフェを訪問して研究したそうです。
(4) 人の巻き込み方、事業のファンを増やすために
夢を形にするため、コミュニティ・ビジネス講座で学び、「カフェをやりたい」という夢を積極的に人に話すようにしました。事業への想いをストーリーにして語ることで、人々の共感を集め、仲間が増え、夢を実現する道がひらけていきました。
地域の理解を得てお店のファンになってもらうために、特にカフェのオープニング・パーティーを重視し、無料で近隣の人たちを招いたそうです。
(5) カフェ運営と、事業展開について
運営で大切にしている3つの商品価値は、「食」「空間」「人のつながり」。
地域の「主婦の力」を活かし、自然素材にこだわったランチメニューを提供。音楽や本のイベントを中心に、手作りマルシェなど、多世代交流イベントを多数開催しています。ほとんどが持ち込み企画で、地域の人たちにとって、隠れた「才能」を発揮する場となっているそうです。
また、地域課題を解決するため、「認知症カフェ」や「こども食堂」など、人を孤立させないための取り組みに力を注いでいます。今後、こども食堂は「ひとり親支援」に方針変更する予定とのこと。
なんと、熊本の実家の80代のご両親も、五味さんのサポートで場の運営を始めました。
ワークショップ:夢の実現に向けて、一歩を踏み出すために
休憩後には、ワークショップがおこなわれました。まずは「夢シート」に100個の夢を書き出すワークを、10分程度。それから、「地域資源マップ」を各自15分程度で作成し、グループ内で発表した後、グループから各1名が全体発表をおこないました。
他に、事業計画書と「人が集まる場づくりのためのチェックシート」も配布されました。
受講生のアンケートでは、五味さんの着実な行動力に触発され、目標にしたいという声も。具体的で実践的なワークショップは、とても為になったという感想が多かったです。
受講生のアンケートから
「発信すること、仲間づくりの大切さがわかりました」
「ワークショップでつながりを持つことができました。自分がやりたいことを明確にするためにも自ら行動を起こしていこうと思います」