「新型コロナウイルスによる団体活動への影響」ヒアリング報告
新型コロナウイルスの感染拡大防止のための活動自粛等による、オンラインツールの活用について、プラッツ登録団体(市民活動団体)へヒアリングを実施しました。
報告書について
はじめに
令和2年2月ごろから、国内でも新型コロナウイルスの感染拡大防止のための活動自粛等(以下コロナ禍)の動きが加速し、市民活動もその例外ではなくなりました。
リアルに人と人が集まることが制限される状況の中、一躍注目を集めたオンラインツールの活用について、プラッツ登録団体(市民活動団体)の生の声を伺い、今後のセンターの活動方針を決めていく手掛かりとするためにヒアリングを実施しました。団体の皆様のご協力に改めて御礼申し上げます。
1、実施概要
i. 実施期間:令和2年8月1日~令和2年8月15日(15日間)
ii. 対 象:令和2年7月31日時点の市民活動登録団体(プラッツ登録団体)全395団
※コロナ禍により団体更新期間を延長したため、未更新団体109団体を含みます
iii. 実施方法:下記2通りにてヒアリングを実施しました
・団体連絡担当者へのメール送付による専用フォーム
・団体連絡担当者への郵送・返送による質問票(メールアドレスの登録が無い方)
iv. 回収状況:メール送付及び郵送にて全85団体より回収、82団体を有効としました
回答者属性
会員の平均年齢
会員数
3、ヒアリング報告
(1)コロナ禍における団体活動における現在の状況について(単一選択)
「現在も困っている」と回答した団体が、53団体(64.6%)でした。「現在も困っている」に「既に解決した」を足した、「コロナ禍で困りごとが生じた団体」は71団体(86.6%)あり、多数のプラッツ登録団体が活動に支障をきたしていることを確認できました。
(2) 上記(1)にて、「現在も困っている」または「困っていたが既に解決した」と回答した 団体が、何に困っているか(下記1から5のうち最も困っていること1つを選択)
「集まる場所に関する事」と回答した団体が最も多く46団体(64.8%)でした。次に「会員との連絡・情報共有に関する事」が15団体(21.1%)でした。その他の意見として、「(対面しての)会話ができない事」「地方に移動を伴う活動の自粛」などが挙げられました。
→その他詳細は添付のPDFに記載いたしました。
(3) コロナ禍に際して、団体活動における新たなオンラインツールの活用を検討したか否か について(単一選択)
活用を「検討していない」と回答する方が、活用を「始めた」「検討している」を上回る54.9%となりました。「検討していない」団体の割合は、インターネットに比べ郵送の方が高くなり、プラッツへのメールアドレスの登録有無によって差異が明らかになりました。
→その他詳細は添付のPDFに記載いたしました。
(4) 新たにオンラインツールを活用している、検討していると回答した団体は、 具体的な活用(予定)ツールを教えてください(自由記述)
・LINE(5団体)
・Messenger / Messenger room(2団体)
・Slack(1団体)
・メール(1団体)
・Teams(1団体)
・Instagram(1団体)
・Jimdo(1団体)
(5) その他ご意見、ご要望がありましたらお書きください
・会員の方たち自身にも(感染症に対する)不安があり、参加しにくいのが現状です会員のメンバーと話し合い、今後の周りの動向を見て、安心して参加していただける日を待っての活動としたいです
・7月末より文化センターで使用が解除され、緊張しながらも活動ができるようになりました。しかし、感染を恐れ練習に参加しない方もおられます。家にこもっていると心も折れ、足腰が弱ってまいります。新しい目標をもって進めればと思っています
・11月の協働まつりを「オンライン開催」とする方向で、早期に舵をきったご決断に心から賛同します
・最小限のオンラインを、渋々やっています。が、今後もコロナが続くことも考えてもっと、使えるようにしなければいけないのかなと考えます
・予約済みの部屋を、コロナの動向によってキャンセルしましたが、会議室利用料の返還を含む手続きを迅速にして頂き、感謝しています
・フリースペースを使えないことに対する代替措置として、会議室を割引で使えるなど、密にならないでコミュニケーションをできる方法をご提案いただきたい
・会議室の定員を制限しているのだから、利用料もそれなりにしていただきたいです
・起業支援スペースの使用を考えています
・プラッツ5階のスペースが使用できるようになれば活用したい
・SNSの基礎講座に興味あります。使い方がわからないから相談をどのようにすればよいのかといった状態です
・本年はコロナの見通しがつかないので全員活動を中止することに決定しています
・工作を主に活動していますのでどうしても密になります。コロナが収束し活動できる日を心待ちにしています
・コロナが落ち着かないと、安定した活動が行えないのが現状です。早く元のようにお互いが距離を取らずに活動できる日が来て欲しいです
・会員も高齢になり、社会状況を踏まえて3月に解散いたしました
・パソコンオンラインとなかなかついていけず、解散しました。一番の理由は会員が高齢化になってきたことです。お世話になりました
※自由記述の(かっこ)内は事務局が追記したものです。
※自由記述は、意図を変えない程度に誤植・語彙等を修正しています。
まとめ
結果をご覧になってみなさんはどんな印象を持たれたでしょうか。
今回のヒアリングでは、メールと郵送で、返送率の大きな違いがありました。メールは16.47%、郵送は51.02%と郵送(メールアドレス登録のない団体)の返送率が圧倒的に高く、なんとか窮状を訴えたいという皆さんの思いが強く伝わってきました。
ヒアリングの内容ではメール、郵送いずれもリアルな居場所、集合場所がなくなったという嘆きが多く寄せられています。プラッツだけでなく、いつも使っていた文化センターや公会堂などがすべて使えなくなってしまったという前代未聞の状況に途方に暮れる姿があぶりだされてきます。その状況を何とかしたいという思いも手伝ってか、思いのほかオンラインを拒む反応が少なく、むしろ共生を模索する声が多くありました。これは調査を実施した時期が8月、社会全体が「コロナとの戦いは長引く」という空気を感じ始めた影響もあったと考えています。
最初は戸惑いも見られたオンラインでの市民協働まつりの開催も、丁寧な説明を続けることで多くの団体が積極的に参加を表明してくださいました。7月から開催している「超初心者のためのオンライン体験会」では、サポートを受けて嬉々としてスマホやSNSの操作を覚えていらっしゃる方の姿を度々拝見しています。いわゆるIT弱者と呼ばれるような方たちも、最初にしっかりと丁寧なサポートがあれば、どんどんツールを使いこなしていける様子を目の当たりにしています。スマホの使い方、オンラインツールの使い方に慣れておくことは、市民活動だけでなく、災害時、非常時、外出困難な時など日常生活でも大きなメリットとなります。
スピード感をもってオンラインを駆使した企画を打ち出す一方、苦手意識を持つ方々を誰一人取り残すことなく徹底的にサポートして実際に使いこなしていただくこと。プラッツでは、まずはこれを当面の目標に掲げたいと思っています。
令和2年10月1日 府中市市民活動センタープラッツ
館長 吉田 恭子
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